SaaS型の統合監視プラットフォーム「Nozomi Vantage」のAI(人工知能)を活用した分析機能「Vantage IQ」には、ユーザーが閲覧中の情報などに応じてリアルタイムにAIが洞察を提供する「スマートサマリー」や、自然言語による問い合わせに対して独自のLLM(大規模原語モデル)を用いて、即座に回答を表示する「自然言語インタフェース」が追加された。Vantage IQのUIは日本語に対応していないが、自然言語インタフェースでは日本語で質問し、回答を得ることができる。
エンドポイントセキュリティセンサーである「Nozomi Arc」では、マルウェアなど悪意のあるソフトウェアを検知して隔離または削除する脅威防御機能を追加した。
欧州では罰則規定を伴ったCRA(欧州サイバーレジリエンス法案)が2027年12月に全面施行される。日本でも、経済産業省が「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を2022年に策定。2024年には「別冊:スマート化を進める上でのポイント」を公表した。日本自動車工業会が2020年に「自動車産業サイバーセキュリティガイドライン」を策定するなど、産業別の動きも進んでいる。
OTセキュリティに対する国内の関心の高まりについて、芦矢氏は「数年前はまず1つのモデル工場を選定して、順調に運用できれば他の拠点に展開する流れだったが、最近は当初から複数の工場を選定し、国内およびグローバルへの展開を視野に入れた対策を講じる顧客も増えている」と語る。
一方で本格的な取り組みの拡大については、芦矢氏はまだ慎重に見る。「市場は盛り上がってきているが、実際に導入に至る企業の数は“まだまだこれから”というのが実感だ。OTセキュリティへの投資をコストと捉えてしまう傾向もある。まだ対策が取られていない中で、“何から手を付ければいいか分からない”という企業が大多数だ」。
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経産省の工場セキュリティガイドラインはなぜ別冊が必要だったのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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