マツダはジャパンモビリティショー2025で、展示テーマの「走る歓びは、地球を笑顔にする」を具現化する2台のビジョンモデルを公開。8年ぶりのモデルチェンジを果たした「CX-5」も一般向けに世界初公開した。
マツダは「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)2025」(プレスデー:2025年10月29〜30日、一般公開日:同年10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)において、2台のビジョンモデル「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」「MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)」を世界初公開した。
ビジョンモデルの1つ目となる「ビジョン クロスクーペ」は、流れるようなフォルムが特徴なクロスオーバークーペだ。このモデルは、2017年の東京モーターショーで発表された4ドアクーペ「Mazda VISION COUPE」の系譜を受け継ぎつつ、現代のニーズに合わせて人気の高いスポーツスタイルへと進化させている。
へと進化させている。
パワートレインには、2ローターのロータリーターボエンジンとモーター、バッテリーを組み合わせた新開発のプラグインハイブリッド(PHEV)システムを搭載する。ボディーサイズは全長5050×全幅1995×全高1480mmで、ホイールベースでは3080mm、最高出力は510馬力に達する。走行距離はモーターのみで160km、エンジン併用で800kmを見込んでいる。
同モデルでは「走るほどにCO2を減らすスポーツカー」というコンセプトも打ち出した。これは、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料によって走行した上で、マツダ独自技術の「マツダモバイルカーボンキャプチャー」が走行過程でエンジンから排出されるCO2を回収するという仕組みだ。カーボンニュートラル燃料は、大気中のCO2を吸収して成長した微細藻類由来なので、それを燃焼させて大気に放出してもCO2が増えることはない。しかし、この燃焼時に発生するCO2をマツダモバイルカーボンキャプチャーによって回収すると、走行するほどにCO2を削減できる“カーボンネガティブ”を実現できることになる。
マツダの説明員は、「当社で行った実験では、マツダモバイルカーボンキャプチャーでエンジンから排出されるCO2を回収できることは検証している。回収したCO2は燃料や肥料、化学品への再利用が可能。今後は、実用化に向けて技術の高度化を図る」と説明した。
また、マツダモバイルカーボンキャプチャーは、「SPIRIT RACING 3 Future concept(通称、55号車)」に搭載し、2025年11月に開催される「スーパー耐久シリーズ 2025 第7戦」において実走での実証実験を行う予定である。
もう一方の「ビジョン クロスコンパクト」は、全長3825×全幅1795×全高1470mm、ホイールベースでは2515mmと、ビジョン クロスクーペと比較すると一回りほど小さいモデルだ。
ビジョン クロスコンパクトは、人体の感性工学とAI(人工知能)技術を融合することでドライバーの感情や感覚をデジタルで再現し、運転を豊かにする「共感AIモビリティ」を目指して開発している。
従来の「エアコンをつけて」「音楽を再生して」といった音声コマンドとは一線を画し、まるで車両が親友のようにドライバーに寄り添う存在を目指す。
マツダ 代表取締役社長 兼 CEO 毛籠勝弘氏はプレスカンファレンスにおいて、「今回発表した2台は、2025年の展示テーマである『走る歓びは、地球を笑顔にする』を具現化したモデル。当社が描く、2035年の未来へとつながるモビリティになる」と期待を語った。
また、展示ブースでは2025年7月に欧州で初公開したクロスオーバーSUV「CX-5」の新モデルも一般向けに世界初公開した。
CX-5は世界100以上の国と地域で販売され、グローバルの累計販売台数は450万台超に上るマツダの最量販車種だ。2012年に初代モデルが発表され、2016年の2代目モデルから8年ぶりに、3代目としてフルモデルチェンジを果たした。今回展示しているのは欧州仕様車で、日本では2026年中の発売を予定している。
毛籠氏は、「ドアを開けた瞬間に、乗る人みんなが快適で心地よく過ごせる、広々とした空間に磨き上げた」と自信を語る。車両開発においては、鋼板サプライヤーの日本製鉄と連携して、集約発注をデザイン段階から行う新方式に転換。同モデルにおいて鋼板重量10%削減したことを2025年10月24日に発表した。
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