ダイハツ工業は、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」において、新開発の軽自動車用「e-SMART HYBRID」を披露した。ワールドプレミアとして世界初公開した次世代軽自動車のコンセプトカー「K-VISION」に搭載するパワートレインとなっている。
ダイハツ工業は、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」(プレスデー:2025年10月29〜30日、一般公開日:同年10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)において、新開発の軽自動車用「e-SMART HYBRID」を披露した。ワールドプレミアとして世界初公開した次世代軽自動車のコンセプトカー「K-VISION」に搭載するパワートレインとなっている。
軽自動車用e-SMART HYBRIDは、2021年11月に発表したコンパクトSUV「ロッキー」に搭載したe-SMART HYBRIDと同様にガソリンエンジンで発電した電力で走行するシリーズ式ハイブリッドシステムである。
ロッキーのe-SMART HYBRIDは、排気量1.2Lの発電用ガソリンエンジン、発電用と駆動用の2個のモーターと減速機構およびディファレンシャル機構から成るトランスアクスル、電力変換を行うPCU(パワーコントロールユニット)から構成されている。新開発の軽自動車用e-SMART HYBRIDも、排気量660ccの軽自動車用ガソリンエンジン、トランスアクスル、PCUという構成は同じだが、コンパクトSUVであるロッキーよりもさらに狭い軽自動車のエンジンルームに収めるための小型/軽量化が図られている。
まず、ガソリンエンジンと発電用のモーターを同軸に直結配置した。その上で、PCUとトランスアクスルを機電一体化することで車両の全長方向の寸法を大幅に削減することに成功した。「ロッキーのe-SMART HYBRIDは、別々の部品であるPCUやトランスアクスルをトヨタグループから調達した上で最適化して組み合わせていたため、各部品の間に仕切り板があったりハーネスでつないだりしていた。軽自動車用e-SMART HYBRIDは、部品レベルからダイハツ自身で開発することで機電一体化を実現し、仕切り板やハーネスをなくすことで大幅な小型/軽量化を実現できた」(ダイハツ工業の説明員)という。なお、PCUについては富士電機との共同開発となっている。
燃費性能は、従来のガソリンエンジンとCVT(無段変速機)の組み合わせと比べて約20%向上している。その上で、シリーズ式ハイブリッドシステムの100%モーター駆動により、“ストログハイブリッド”と呼ぶ通り静粛で力強い走りも実現した。ただし、駆動用モーターの出力は軽自動車規格の上限である47kW以下に抑えられている。
また、自社開発によって得られた軽自動車用e-SMART HYBRIDの要素技術は「軽EV(電気自動車)にも横展開できる」(同説明員)としている。
ダイハツがシリーズハイブリッド、コンパクトカーの電動化で選択肢広がる
ダイハツはモノづくりとコトづくりの原点に回帰、「ミゼットX」を初披露
HEVの技術を直流マイクログリッドに展開、ダイハツと豊田中研がトヨタ九州で実証
BYDが日本市場に軽EVを投入する意図を考察する
シニアにうれしく子どもも乗りたがる、ダイハツが新たな「移動手段」
ダイハツがCJPTに復帰、共同開発の軽商用EVは2025年度中に導入目指すCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク