ユニチカが、高騰する金属アンチモンを使用せず、従来の製品と同等の性能を備えた低コストなハロゲン系難燃ナイロン樹脂を開発した。
ユニチカは2025年10月27日、アンチモン系材料を使用しないハロゲン系難燃ナイロン樹脂「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」の開発に成功したと発表した。
自動車や電気/電子の分野で大量に使用されているハロゲン系難燃ナイロン樹脂には、アンチモン系材料が使用されるケースが多い。しかしながら、最近の中国の輸出規制を発端とした、金属アンチモン価格の高騰に連動し、従来のハロゲン系難燃ナイロン樹脂の価格も高騰している。市場では、価格が安定したハロゲン系難燃ナイロン樹脂への要望が高まっている。
そこでユニチカは、同社の組成設計や生産技術を生かして、アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂を開発した。同製品は、従来のハロゲン系難燃ナイロン樹脂と比較して、低コストでありながら、同等の機械物性、難燃性を維持している。また、従来品よりも優れた耐トラッキング性を有することが分かっており、コネクターなどの安全性向上に貢献する。さらに、ノンハロゲン系難燃ナイロン樹脂と比較して、生産設備への低腐食性、高靭性、低吸水性、成形時の発生ガス低減など、多様な機能を備えている。
同社は、自動車や電気/電子の分野などを対象にアンチモンフリー難燃ナイロン樹脂の販売展開を図り、3年後に年間10億円の売上高を目指す。
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