Ansysは、スーパーコンピュータ「富岳」上で動作する流体シミュレーションソフトウェア「Ansys Fluent」と、衝突シミュレーションソフトウェア「Ansys LS-DYNA」の商用提供を開始した。
Ansysは2025年10月6日、スーパーコンピュータ「富岳」上で動作する、流体シミュレーションソフトウェア「Ansys Fluent」と、衝突シミュレーションソフトウェア「Ansys LS-DYNA」の商用提供を発表した。
富岳上で動作するこれらのCAE製品は、これまで学術研究や性能検証での利用が中心だった。今回、理化学研究所との協業により、大規模ノードへの最適化と体制整備が進み、新製品開発など大規模な商用利用が可能になった。
例えば、Ansys Fluentでは、川崎重工業のガスタービン燃焼器モデルに対して、富岳上で10億セル規模の数値流体力学(CFD)シミュレーションを実行した。ARM64アーキテクチャに最適化した燃焼モデルは、圧力ベースのソルバーにより、富岳上で安定的かつ効率的な大規模並列計算を確認できた。
また、Ansys LS-DYNAは、富士通のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX1000」「PRIMEHPC FX700」に対応したCAE製品だ。落下試験、衝撃と貫通、破壊などのアプリケーションで使用する陽解法シミュレーションソフトで、複雑なモデルの詳細管理とシミュレーションを可能にする。
一般的な商業開発において、両製品が富岳の超高速コンピューティングプラットフォーム上で利用可能になったことで、企業は安全で信頼性の高い製品の開発を合理化できる。これにより、市場投入までの時間を短縮できるとしている。
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