ロームは、業界最小回路電流と1mm角以下の超小型サイズを両立したCMOSオペアンプ「TLR1901GXZ」を開発した。外気温の変化が大きい環境下でも高精度に動作する。
ロームは2025年7月17日、業界最小回路電流と1mm角以下の超小型サイズを両立したCMOSオペアンプ「TLR1901GXZ」を開発したと発表した。ウェアラブル端末やハンディ計測器、センサー用途に向けた小型、省電力アプリケーションに適している。
同製品は、0.35mmピッチのWLCSPパッケージを採用し、設置面積を大幅に削減した。動作時の回路電流は160nA(定格値)で、一般品に比べて約38%低減。入力オフセット電圧は最大0.55mVで、一般品に比べて約45%低減している。最大7μV/℃の入力オフセット電圧温度ドリフトも保証し、外気温の変化が大きい環境下でも高精度に動作する。
オペアンプ周辺部品として、同社の小型抵抗器MCR004(0402サイズ)やMCR006(0603サイズ)を組み合わせることで、回路設計の自由度が向上している。MCR004には完全鉛フリータイプも用意しており、環境負荷軽減にも対応する。
サンプル価格は1個300円(税別)で、同年6月より月産2万個体制で量産を開始。評価用のIC実装済み変換基板「TLR1901GXZ-EVK-001」も提供する。
今後も同社は、オペアンプの小型化とともに、独自の超低消費電流技術を生かして省電力化を追求。また、低ノイズや低オフセット、電源電圧範囲の拡張など、高性能化への取り組みも継続するとしている。
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