スマートフォンやIoT機器などの開発に最適な超小型CMOSオペアンプ組み込み開発ニュース

ロームは、超小型パッケージのCMOSオペアンプ「TLR377GYZ」を開発した。温度や圧力、流量などを検知および計測したセンサー信号の増幅に最適で、スマートフォンや小型IoT機器などの小型化に寄与する。

» 2024年06月11日 14時00分 公開
[MONOist]

 ロームは2024年5月30日、超小型パッケージのCMOSオペアンプ「TLR377GYZ」を発表した。温度や圧力、流量などを検知、計測したセンサー信号の増幅に適し、スマートフォンやIoT(モノのインターネット)機器などの小型化に寄与する。サンプル価格は1個220円(税別)で、月産10万個の体制で量産を開始している。

キャプション CMOSオペアンプ「TLR377GYZ」 出所:ローム

 一般的にオペアンプは、内蔵するトランジスタ素子サイズを大きくすることで、誤差要因となる入力オフセット電圧とノイズ発生を抑える。そのため、オペアンプの小型化と高精度化の両立は難しいとされている。

 同社は、独自の回路設計技術でオフセット電圧を補正する回路を開発し、トランジスタ素子サイズを変えることなく、入力オフセット電圧を最大1mVに抑えた。定常的に発生するフリッカノイズも独自のプロセス技術で改善。素子レベルから抵抗成分を見直し、ノイズも入力換算雑音電圧密度12nV/√Hzに低減している。

 また、独自のパッケージ技術でボールピッチを0.3mmまで狭小化したWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)を採用した。パッケージの外形寸法は0.88×0.58×0.33mm。実装面積が従来の一般品比で約69%減、小型品比でも約46%減となる小型化に成功している。

キャプション ポジショニングマップとパッケージ技術[クリックで拡大] 出所:ローム

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