「オペアンプ」を使った1 ICのポタアンを作ろう電子工作“超”入門(8)

1年に渡ってお届けした連載も今回で最終回。今回は「オペアンプ」を利用したポータブルアンプを製作します。

» 2015年10月23日 18時00分 公開
[作倉瑞歩MONOist]

オペアンプを使った1ICのポタアン

 前回製作したのは、ダーリントントランジスタを2個使ったものでした(電子工作“超”入門(7):はんだゴテを手に、ポタアンを制作する)。ここからちょっとだけグレードアップして、「オペアンプ」を使ったポータブルアンプを作っていくことにします。

 オペアンプという言葉を聞いたことがある方はいますでしょうか。これは「オペレーショナル・アンプリファイア」(Operational Amplifier)の略称で、「演算増幅器」という意味となります。今回は入力されてきた音声信号を増幅するために、オペアンプを用います。

 今回利用するのは「NJM2073D」というオーディオ用のオペアンプです。音質はまあまあといったところですが、動作電圧が1.8V〜15Vと低電圧でも動作するという利点があります。ですので今回も、乾電池2本を使った3Vを駆動電源に考えて設計します。

 製作するポタアンの回路図は以下のようになります。回路図の左側から入ってきた音声信号をオペアンプに流し、フィルターを通して出力します。NJM2073Dは2回路入りですので、LとRで1回路ずつ使って増幅させます。なお、回路図の右下は電源部です。「VCC」とある場所は、NJM2073Dの2番ピンに接続します。

オペアンプを使ったポータブルアンプ オペアンプを使ったポータブルアンプ

実際に部品をはんだ付けしていく

 さて、実際に部品を取り付けていくことにします。前回でも述べましたが、背の低い抵抗からはんだ付けするようにしましょう。今回使用する部品は以下の通りです。なお、今回の製作では電源にACアダプターを使っていますが、こちらは乾電池2本でも構いません。

部品名 部品数 単価 小計 購入店
NJ2073D 1 150(2個セット) 150 秋月電子通商
抵抗1/4W10KΩ 2 30 60 千石電商
抵抗1/4W5.1KΩ 2 30 60 千石電商
抵抗1/4W150Ω 2 30 60 千石電商
抵抗1/4W10Ω 2 30 60 千石電商
抵抗1/4W4.7Ω 2 30 60 千石電商
半固定抵抗5KΩ 1 100 100 秋月電子通商
電解コンデンサ16V10μF 2 50 100 千石電商
電解コンデンサ16V100μF 2 50 100 千石電商
電解コンデンサ16V470μF 2 50 100 千石電商
ICソケット(8ピン) 1 50 50 千石電商
電解コンデンサ16V1000μF 1 50 50 千石電商
ステレオミニジャック 2 50 100 マルツパーツ館
ACアダプター(3V) 1 1000 1000 ラジオデパート
AC電源ジャック 1 50 50 千石電商
汎用基板 サンハヤトICB-88 1 120 120 千石電商
ケース 1 450 450 千石電商
つまみ 1 50 50 秋月電子通商
2420

 今回も汎用基板を使いますので、配線の取り回しが必要となります。はんだ付け作業に入る前に、どのあたりにパーツを配置していったらいいのか、事前に差してみて検討していきましょう。なお今回は、ケースに入れることにします。そのためリード線なども必要となりますので、適宜用意して下さい。

事前にパーツを配置 事前にパーツを配置してみる
背の低い抵抗からはんだ付けしていく 背の低い抵抗からはんだ付けしていく
全てはんだ付けした状態 全てはんだ付けした状態
基板の背面 基板の背面。抵抗などの足を流用して配線してあります。ちょっと汚いですが、取り回しの参考にして下さい
完成したポタアン 完成したポタアン
内部の配線 内部の配線はこんな感じ

 以上でこれまで8回にわたって続けてきた電子工作の連載も終わりとなります。実際、こうした製作は「習うより慣れろ」で、何個か作っていくうちになんとなく理解が進んでいくものです。アンプを作る、ラジオを作るなど、自分の趣味に合わせたものでもよいですので、電子工作の興味を広げてみて下さい。

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