1年に渡ってお届けした連載も今回で最終回。今回は「オペアンプ」を利用したポータブルアンプを製作します。
前回製作したのは、ダーリントントランジスタを2個使ったものでした(電子工作“超”入門(7):はんだゴテを手に、ポタアンを制作する)。ここからちょっとだけグレードアップして、「オペアンプ」を使ったポータブルアンプを作っていくことにします。
オペアンプという言葉を聞いたことがある方はいますでしょうか。これは「オペレーショナル・アンプリファイア」(Operational Amplifier)の略称で、「演算増幅器」という意味となります。今回は入力されてきた音声信号を増幅するために、オペアンプを用います。
今回利用するのは「NJM2073D」というオーディオ用のオペアンプです。音質はまあまあといったところですが、動作電圧が1.8V〜15Vと低電圧でも動作するという利点があります。ですので今回も、乾電池2本を使った3Vを駆動電源に考えて設計します。
製作するポタアンの回路図は以下のようになります。回路図の左側から入ってきた音声信号をオペアンプに流し、フィルターを通して出力します。NJM2073Dは2回路入りですので、LとRで1回路ずつ使って増幅させます。なお、回路図の右下は電源部です。「VCC」とある場所は、NJM2073Dの2番ピンに接続します。
さて、実際に部品を取り付けていくことにします。前回でも述べましたが、背の低い抵抗からはんだ付けするようにしましょう。今回使用する部品は以下の通りです。なお、今回の製作では電源にACアダプターを使っていますが、こちらは乾電池2本でも構いません。
部品名 | 部品数 | 単価 | 小計 | 購入店 |
---|---|---|---|---|
NJ2073D | 1 | 150(2個セット) | 150 | 秋月電子通商 |
抵抗1/4W10KΩ | 2 | 30 | 60 | 千石電商 |
抵抗1/4W5.1KΩ | 2 | 30 | 60 | 千石電商 |
抵抗1/4W150Ω | 2 | 30 | 60 | 千石電商 |
抵抗1/4W10Ω | 2 | 30 | 60 | 千石電商 |
抵抗1/4W4.7Ω | 2 | 30 | 60 | 千石電商 |
半固定抵抗5KΩ | 1 | 100 | 100 | 秋月電子通商 |
電解コンデンサ16V10μF | 2 | 50 | 100 | 千石電商 |
電解コンデンサ16V100μF | 2 | 50 | 100 | 千石電商 |
電解コンデンサ16V470μF | 2 | 50 | 100 | 千石電商 |
ICソケット(8ピン) | 1 | 50 | 50 | 千石電商 |
電解コンデンサ16V1000μF | 1 | 50 | 50 | 千石電商 |
ステレオミニジャック | 2 | 50 | 100 | マルツパーツ館 |
ACアダプター(3V) | 1 | 1000 | 1000 | ラジオデパート |
AC電源ジャック | 1 | 50 | 50 | 千石電商 |
汎用基板 サンハヤトICB-88 | 1 | 120 | 120 | 千石電商 |
ケース | 1 | 450 | 450 | 千石電商 |
つまみ | 1 | 50 | 50 | 秋月電子通商 |
計 | 2420 | |||
今回も汎用基板を使いますので、配線の取り回しが必要となります。はんだ付け作業に入る前に、どのあたりにパーツを配置していったらいいのか、事前に差してみて検討していきましょう。なお今回は、ケースに入れることにします。そのためリード線なども必要となりますので、適宜用意して下さい。
以上でこれまで8回にわたって続けてきた電子工作の連載も終わりとなります。実際、こうした製作は「習うより慣れろ」で、何個か作っていくうちになんとなく理解が進んでいくものです。アンプを作る、ラジオを作るなど、自分の趣味に合わせたものでもよいですので、電子工作の興味を広げてみて下さい。
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