フェードスタイルはもともと黒人の文化で、人種や国を超えて広がった定番の髪形の1つだ。欧州では、人気のサッカー選手がフェードスタイルにしているのを見てまねる人も少なくないという。SNSでフェードスタイルを発信して知名度を高めた「超人気バーバー」もトレンドをけん引する。
フェードをきれいに作れるかどうかが理容師の腕の見せ所で、フェードにプラスアルファで造形を加えるなどスタイルとしての進化が続いている。その技術を理容師同士が競い合う競技会や、テクニックを身に付けた理容師を育てる教育も活発だ。
新商品の発表の場も、バーバー向けの競技会「WORLD BARBER CLASSIC」を選んだ。日本国内だけでなく、アジアを中心とした海外で予選を勝ち抜いたトップの理容師が参加して、ステージ上で実際に調髪して腕を競うイベントだ。出場者はバリカンだけでなくハサミやカミソリも使うが、いずれもこだわりの道具だ。パナソニックはバーバーカルチャーの発信源となる理容師の集まるイベントに協賛して新商品をアピールした。

 WORLD BARBER CLASSICの様子。ステージ上で調髪を行う(左)。バリカンだけでなくハサミやカミソリも使う。カット前にどのように髪を取り分けるかなど、腕の見せ所は多い(右)[クリックで拡大]
WORLD BARBER CLASSICの様子。ステージ上で調髪を行う(左)。バリカンだけでなくハサミやカミソリも使う。カット前にどのように髪を取り分けるかなど、腕の見せ所は多い(右)[クリックで拡大]パナソニックは、2015年創業のバーバーショップ「MR.BROTHERS CUT CLUB」とのコラボレーションを理容師向けプロ用バリカンの拡販につなげる。MR.BROTHERS CUT CLUBは、2025年のWORLD BARBER CLASSICの主催者でもある。
MR.BROTHERS CUT CLUBは2015年に原宿で1号店をオープンし、東京/大阪/福岡の他、ロサンゼルスやシンガポールなど海外にも出店している。「古き良きアメリカンクラシックバーバーカルチャー」を現代風に解釈して提案するバーバーショップで、2024年にはガーナの首都アクラでバーバー育成活動「BARBER ACADEMY」を始めた。パナソニックはバリカンなどのツール提供を通じて同活動を支援している。
ガーナ政府はMR.BROTHERS CUT CLUBの育成活動に対して国家資格付与の認定を与える(現時点では仮認定で、2年後に本認定となる予定)。ガーナには理容師/美容師の免許制度がなく、BARBER ACADEMYの卒業生が免許を得られるようになる見通し。今後は既に働いているガーナの理容師/美容師も免許を得るために入校するなど大規模な活動となる。MR.BROTHERS CUT CLUBとパナソニックは、開業支援や海外での活躍など若年層の雇用創出に貢献していきたい考えだ。
フェードスタイルが定着する中で、パナソニックの競合は人気バーバーとも協力しながらさまざまなプロ用バリカンを市場に投入してきた。パナソニックも日本だけでなく欧州や米国でトップバーバーとアンバサダー契約を結び、情報発信で協力して販売拡大を目指す。
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