日立産機システムがScope1およびScope2の温室効果ガス排出量を実質ゼロ達成:製造マネジメントニュース
日立産機システムと同社のグループ会社は、2030年度を目標としていたカーボンニュートラル達成を早め、2024年度にScope1およびScope2の温室効果ガス排出量を実質ゼロにした。
日立産機システムは2025年6月10日、同社と同社グループ会社が2030年度を目標としていたカーボンニュートラル達成を早め、2024年度にScope1およびScope2の温室効果ガス排出量を実質ゼロにしたことを発表した。
同社グループは、世界各地の事業所で高効率な変圧器や空気圧縮機への更新、照明のLED化、太陽光発電設備の設置、再生可能エネルギーを利用した電力調達など、エネルギー効率を最大限に引き上げてきた。その結果、2024年度に国内外の54の事業所でScope1とScope2におけるカーボンニュートラルを達成した。
清水事業所(静岡県清水市)に設置した太陽光パネル[クリックで拡大] 出所:日立産機システム
今後は、高効率でCO2排出量の少ない産業用設備やデジタルデータを活用し、顧客の事業においてもエネルギー効率の向上を図り、Scope1の削減に努める。2019年度比で約20%だった中和クレジットのオフセット比率を、2030年度までに17%以下に引き下げたいとしている。
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