Preferred Computational Chemistryは、データセンター向けの潤滑油や液浸冷却液の材料探索を加速するため、ENEOSと協業する。AI技術を用いたPFCCの汎用原子レベルシミュレーターを活用し、材料設計の最適化を目指す。
Preferred Computational Chemistry(PFCC)は2025年3月31日、潤滑油や液浸冷却液の材料探索を加速するため、ENEOSとの協業を発表した。化学シミュレーション向けのソフトウェア「NVIDIA ALCHEMI」を活用し、AI(人工知能)駆動による材料設計の最適化を目指す。
今回の協業では、サーバを冷却する液浸冷却液や潤滑油など、データセンターの排熱管理やコスト効率化に必要となる材料を戦略的な対象とする。最初の取り組みとして、電気を通さない単相冷却液にサーバを浸して冷却する、データセンター向けの液浸冷却液について探索する。
新材料の探索には、AI技術を用いたPFCCの汎用原子レベルシミュレーター「Matlantis(マトランティス)」を活用し、NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォーム上で材料の挙動をシミュレーション。同プラットフォームに搭載のNVIDIA ALCHEMIのソフトウェアやツールを利用することで、化学シミュレーションに特有な計算処理を加速させ、効率的なシミュレーションと効果的な化学物質の探索が可能になる。
なお長期的には、触媒やポリマーなど他の材料にも対象を拡大する予定だ。
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