堀場製作所は、化合物半導体ウエハー欠陥検査に強みを持つ韓国のEtaMaxを買収した。
堀場製作所は2025年4月7日、韓国で半導体事業を担う堀場エステック・コリアが、ウエハー検査装置を開発、製造するEtaMaxを買収する株式譲渡を同月3日に完了したことを発表した。
堀場製作所を中心としたHORIBAグループが長年培ってきた分光技術と、EtaMaxが保有する化合物半導体ウエハー欠陥検査の豊富な知見やソフトウェア技術を融合し、ウエハー検査装置のラインアップの拡充とソリューション提案力の強化を目指す。
EV(電気自動車)などの電動車や、生成AI(人工知能)の普及を背景としたデータセンター需要が拡大する中、次世代パワー半導体と呼ばれる化合物半導体を採用する動きが活発になっている。
また、HORIBAグループは、中長期経営計画「MLMAP 2028」における注力分野の1つ「先端材料・半導体」で、2028年に同分野全体で売上高2350億円を目標としている。
化合物半導体は高い性能と耐久性を誇る一方で、製造プロセスにおいてはウエハーの欠陥による歩留まり低下が課題となっており、正確かつ効率的な検査が求められている、
その中で、EtaMaxは、主にフォトルミネッセンスという分析技術を用いたウエハー検査装置を展開している。フォトルミネッセンスとは、サンプルが特定の波長の光を吸収し、その後に放出する光(蛍光)を測定することで、欠陥や不純物の情報などを得られる分析技術だ。化合物半導体ウエハーの均一性評価や微細な欠陥(原子配列の乱れ)の種類を判別するなど、多様なアプリケーションに強みがある。
EtaMaxが保有するソフトウェア技術とHORIBAグループが持つラマン分光などのコア技術によるシナジーで、新製品開発とソリューション提案力強化を加速し、化合物半導体ウエハーの量産工程における歩留まり向上や品質管理の高度化を図る。
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