これまでにPoC(概念実証)をさまざまな場所で実施してきた。2022年にけいはんな記念公園(京都府精華町)、うめきた外庭SQUARE(大阪市北区)で行った際には、シェードの快適性や集客力を検証。シェード内はシェード外より温度が最大7℃低くなることや、人通りの多い週末には1日60人以上が1分以上滞在することを確認した。
2023年には東京都内のオフィスビルの屋上に置かれたエアコン室外機をシェードで覆い、消費電力の削減につながるか検証。シェードを設置することで消費電力を5%削減できることが分かった他、ミストを噴霧することでさらに3%電力削減効果を高めることにつながったという。
2024年には、新東名高速道路の岡崎サービスエリアに設置して、集客効果を再度検証した。シェードを訪問した人は、しなかった人に比べて、サービスエリアの滞在時間が平日で2%、休日で4%伸びた他、テークアウト店の併用率が10〜15%高まったという。また、「9月の暑い日に涼しく快適に外で過ごせた」「ペット連れでは店に入れないので助かった」「植物に囲まれて癒された」などの声も寄せられた。2025年の大阪・関西万博においては、生成AIの活用なども盛り込まれる予定だ。
三菱電機 名古屋製作所 オープンイノベーション推進部 事業企画Gの白井靖士氏は今後に向けて「実証実験を重ねて、グリーンシェードに興味を持っていただける人は増えている。ただ、植物によるシェードやミストによる快適な空間だけでは、提供価値として弱さがある。設置するお客さまが抱える課題の解決につながるようなソリューションが必要になる。通年で設置する場合は、冬場の活用方法も求められる」と語る。
同 柴田実香氏は「FAと農業の組み合わせは、われわれだからこそできることだと考えている。今までFAに携わって来なかったお客さまに対する新たな価値提供に挑戦していきたい。大阪・関西万博ではたくさんの方に見てもらい、さまざまな意見をいただきたい」と意気込む。
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