4社の取り組みではトレーラー単位の共同輸送に力を入れる。トラクターとトレーラーであれば、モビリティハブではトレーラーを一時的に保管し、トラクターは待ち合わせをせずに稼働率を高められると見込む(コンテナ内に混載する場合、荷降ろしと積み直しが発生する)。食品など温度管理が必要な荷物や、保税輸送など、途中でコンテナを開けられない場合にも1台で複数のコンテナを運ぶことができる。また、タンクローリーなどでも共同輸送が可能になる。
トレーラー単位の共同輸送を実現するには、トラクターとトレーラーの連結総重量(GCW)や連結全長、連結できる台数などの規制緩和が必要だ。さらにトレーラーを連結する操作には十分なスペースが必要で、連結操作自体も難易度が高い。ただ、海外には2連結、3連結で運用する例があり、実現可能性は十分にあると見ている。モビリティハブの設置に向けては、こうしたオペレーションや車両の在り方も踏まえて議論していく。
この取り組みで使用する自動運転トラックは、トレーラー部分に自動運転システムを搭載する。モビリティハブの間を高速道路で往復するのみで、一般道は走行しない。一般道と高速道路、有人と無人……と両方に対応しようとすると自動運転システムが複雑化するため、用途を割り切る。
こうした自動運転車×共同輸送の形が実現すれば、モビリティハブには多くのトレーラーが置かれる。トラックが自動運転で、モビリティハブが大規模になって運営が省人化されれば、人目も少なくなる。トラクターとトレーラーの連結計画が悪意をもって改ざんされれば、積み荷が奪われる事態になりかねない。そこで、混載計画や荷受人に関する情報をブロックチェーンに書き込み、改ざんされた場合に検出できるようにしていく。輸出用のコンテナを扱う港湾では、国際標準化を目指す同様の取り組みがすでにある。
具体的には、モビリティハブを出る際に出口のゲートでトラクターとトレーラーのQRコードを照合し、正しい組み合わせでなければゲートから出られないようにする。事前に計画されたトラクターとトレーラーの組み合わせに対し、正当ではない荷受人がトラクター情報を書き換えてトレーラーを盗もうとする場合、改ざんされた記録であることをゲートで把握して止めることができる。
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