三菱電機の防衛事業は情報戦にも対応、海外との共同開発も強化製造マネジメントニュース(1/4 ページ)

三菱電機は防衛システム事業の説明会を開いた。

» 2025年03月13日 08時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 三菱電機は2025年3月12日、オンラインで防衛システム事業の説明会を開いた。受注高/売上高ともに拡大しており、2030年度には営業利益率10%以上を目指す。高い技術力を活用して、安心安全な社会の実現に貢献する。

 防衛システム事業は、防衛費増額を背景に受注高は2022年度の1400億円から2024年度は6000億円に増加する(事業の特性もあり受注から納入までは平均で3〜4年かかる)。日本の防衛力整備計画は、2019〜2023年度の17.2兆円から2023〜2027年度は43.5兆円に増額した。また、契約制度改善により営業利益率も向上しており、2024年度の7%から2026年度は10%、2030年度は10%以上を見込んでいる。

防衛システム事業の業績見通し[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 三菱電機の防衛システム事業は、大規模システムと衛星システムの両方でプライムコントラクター(一次請け、元請け)として防衛省やJAXA(宇宙航空研究開発機構)向けの実績がある。衛星システムは、静止軌道から低軌道の衛星に加えて、月面や火星の探査などさまざまな衛星システムでプライムコントラクターとしての事業を推進している。安全保障において宇宙領域は必要不可欠となっており、両方の技術と実績を持つことが強みになるとしている。

 同社はレーダーやミサイル、指揮システムも手掛けており、装備品の中核となるセンサーや情報処理の技術も持つ。センサーや情報処理は防衛システムの付加価値となっている。装備品が単体運用からネットワーク化した領域横断の運用に移行しているためだ。最先端の高周波デバイスを社内で開発、製造していることも強みの1つだという。社内の研究所や事業部門と連携し、複雑かつ高度な防衛システムにデバイスからシステムまで垂直統合で対応できるためだ。

大規模システムと衛星システムを手掛けている[クリックで拡大] 出所:三菱電機
防衛システム事業の強み[クリックで拡大] 出所:三菱電機
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