ヒートシンクを設計しよう!CAE解析とExcelを使いながら冷却系設計を自分でやってみる(3)(2/4 ページ)

» 2025年03月11日 06時00分 公開

熱伝導と熱伝達を考慮した温度の見積もり

 前回の内容と組み合わせると図3の全ての位置の温度が求まります。計算のベースは主流の温度Tです。伝熱界面温度は式1から次式となります(式2)。

式2 式2

 固体の温度は前回の式15を使います。式3として再掲します。

式3 式3

 固体左側端面、つまりx=xsのときの温度がTsであり、xw−xs=Lsとしましょう。Tsの温度は次式で表されます(式4)。

式4 式4

 次は最高温度を求めましょう。前回の式31を式5として再掲します。

式5 式5

 中心面(x=0)のときの温度がTcであり、xs=LHSとしましょう。HSとは“heat source”のことです。モデル内の最高温度Tcは、上式に式2式4を代入して次式で表されます(式6)。

式6 式6[クリックで拡大]

ヒートシンク設計Excelシートを作ろう

 これで全ての位置の温度が計算できるようになりました。ヒートシンク設計Excelシートを作りましょう。図4にヒートシンクの寸法を示します。

ヒートシンクの寸法 図4 ヒートシンクの寸法[クリックで拡大]

 今のところ、ヒートシンクのひだひだがあるのでLs寸法が少し曖昧になりますが、ひだひだは考えずにヒートシンクの放熱面積をAwとし、詳細は後回しにしましょう。図5に解析モデルを示します。

ヒートシンクの解析モデル 図5 ヒートシンクの解析モデル[クリックで拡大]

 表1にExcelシート、図6に温度分布を示します。なかなかいい感じでしょうか。

ヒートシンク計算シート 表1 ヒートシンク計算シート[クリックで拡大]
発熱体と固体(ヒートシンク)の温度分布 図6 発熱体と固体(ヒートシンク)の温度分布[クリックで拡大]

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