慶應義塾大学は、カネカが製造する生分解性プラスチック「Green Planet(GP)」を、数日で完全に分解する微生物を発見した。フィルムは3日、ストローは約2週間で完全分解した。
慶應義塾大学は2025年2月26日、カネカが製造する生分解性プラスチック「Green Planet(GP)」を、数日で完全に分解する微生物を発見したと発表した。GPを使用した店舗などでのオンサイト分解処理につながることが期待される。
今回の研究では、カネカ高砂工業所(兵庫県高砂市)内のGP生産プラント近辺の環境サンプルから、GPの分解菌を探索。GPパウダーを含む寒天プレートに塗布したところ、いくつかの候補株のコロニー周辺に透明な領域(ハロー)を確認した。
ハローを作った微生物は、GPを分解する酵素を細胞の外側に排出していると思われる。GPフィルムを用いてこれらの候補株を評価すると、Acidovorax属の微生物となるGP-2株が最大の分解率を示した。GP-2株は3日で分解率が約100%となり、フィルムより厚いストローは約2週間で完全分解した。
カネカのGPは、他の生分解性プラスチックに比べて高い生分解性を示すが、環境中での分解には数週間〜数カ月程度を要する。GP-2株による分解率は、従来とは段違いに高速な処理時間となる。今後、さらなる解析や条件の最適化を図り、実装化を目指す。
ファミマが生分解性バイオポリマーを使用したスプーンとフォークを発売
カネカがAIシステムで樹脂プラントの乾燥設備を最適運転、年間100t増産
カネカが小学生向け環境教育プログラムを制作、生分解性バイオポリマーで意識醸成
カネカと大成建設が太陽電池を用いた外装発電システムの販売会社を設立
製造業のAI活用をよりポップに、クリック操作でデータ分析が行えるプラットフォームCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム