富士フイルムは、半導体材料事業をさらに拡大するため、ベルギーの生産拠点において、先端半導体材料であるCMPスラリーの生産設備を新たに導入するとともに、フォトリソ周辺材料の既存設備を増強する。
富士フイルムは2025年2月5日、半導体材料事業をさらに拡大するため、ベルギーの生産拠点において、先端半導体材料であるCMPスラリーの生産設備を新たに導入するとともに、フォトリソ周辺材料の既存設備を増強すると発表した。車載用半導体や、製造工程のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える産業用半導体の需要拡大が見込まれる欧州において、総額約40億円の設備投資を行い、ベルギー拠点の生産能力を拡大する。
具体的には、半導体材料の欧州現地法人であるFUJIFILM Electronic Materials (Europe) N.V.(本社:ベルギー・ズウェインドレヒト)が、約40億円の設備投資を行う。先端半導体に使用され、年率13%の高い成長性が見込まれているCMPスラリーの生産設備を新たに導入。米国アリゾナ州、台湾の新竹市および台南市、韓国天安市、熊本県菊陽町にある既存のCMPスラリーの生産拠点に、新たにベルギーを加えた世界6拠点の生産体制を構築することで、CMPスラリーのさらなる安定供給を実現する。
また、フォトリソ工程で使用する現像液の生産設備を増強。欧州での車載用/産業用半導体の需要増に対応するとともに、品質面での高い顧客要求にも応えていく。
なお、新たに導入するCMPスラリーの生産設備、増強する現像液の生産設備の稼働開始はいずれも2026年春を予定している。
5G/6Gによる通信の高速/大容量化、自動運転の拡大、AIやメタバースの普及などにより、半導体のさらなる需要拡大と高性能化が見込まれる中、富士フイルムは、半導体材料事業において成長投資を行っている。
2024〜2026年度の3年間で、研究開発と設備投資をあわせて1700億円の成長投資を計画。静岡、韓国平澤拠点における先端レジストの開発、生産、品質評価の機能強化や、熊本拠点におけるCMPスラリーの生産設備の増強など、設備投資を行うことで、半導体材料の生産能力拡大を進めている。
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