2024年に公開したMONOist 素材/化学フォーラムの全記事を対象とした「人気記事ランキング TOP10」(集計期間:2024年1月1日〜12月25日)をご紹介します。
毎年恒例の「年間ランキング」です。2024年は日本での衆議院選挙や米国の大統領選挙、ロシアの大統領選、韓国総選挙、台湾の総統選など、さまざまな国や地域で大規模な選挙が行われた1年でした。
共和党のドナルド・トランプ氏が当選した米国の大統領選は、多くの人の関心を集めました。次期大統領のトランプ氏は、中国からの全輸入品に対して10%の追加関税を、メキシコとカナダからの全輸入品に対して25%の関税を課すとSNS上で発表している他、日本製鉄によるUSスチール買収への反対を表明するなどしており、今後の動向も注目されています。
国内に目を向けると、コロナ禍の落ち着きと円安の加速により訪日観光客が増加しました。JTBによれば、2024年の訪日外国人客数は過去最高の3310万人(2023年比31.3%増)になると予測しています。
しかし、円安の加速に加え、ウクライナ紛争や中東情勢の悪化といった地政学的なリスクの影響もあってエネルギーの価格は引き続き高止まりしており、海外から輸送される肥料や飼料、食品の値段が高騰。これらにより、国内で販売される食品の値上げも続いており、一般消費者の家計を圧迫しています。
こういった社会環境の中で、国内の素材メーカーは、マテリアルズインフォマティクス(MI)でAI(人工知能)を活用して、成果を上げる企業が増えてきました。一例を挙げると、レゾナックがAIやMIを活用して、有機インターポーザー上で線幅と配線間隔が1.5μmと微細な銅回路を形成できる感光性フィルムを開発しました。
そして、2024年は素材/化学フォーラムが2年目を迎えた年でもあります。素材/化学フォーラムは、製造業に深く関わる素材/化学の情報をこれまでよりも発信する目的で立ち上がりました。
当フォーラムでは、素材開発の課題を解決するヒントを発信する目的で、素材メーカー各社の新製品や製造技術だけでなく、前述のMIやプロセスインフォマティクス(PI)といった情報科学技術の活用事例を紹介しています。加えて、認知度が低いがこれから注目される可能性が高い窒素管理などの問題と解決策も連載を通して紹介することで、さまざまな環境問題やその対処法について知見を増やせるようにしています。
では、MONOist 素材/化学フォーラムの1年はどうだったのでしょうか? 2024年に公開した記事の中からTOP10を紹介し、この1年間を振り返ってみたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。年間ランキングは以下の通りです。
2024年に、MONOist 素材/化学フォーラムで最もよく読まれた記事(第1位)は「実際の核融合炉と発電の仕組み」でした。
第1位に輝いた「実際の核融合炉と発電の仕組み」は、連載「核融合発電 基本のキ」の第2回で、実際の核融合炉(核融合反応を起こす場所)と発電の仕組みを解説しています。核融合にはいくつかのアプローチがありますが、第2回では磁場閉じ込め方式、そして第1世代といわれる重水素-三重水素(D-T)反応炉について紹介しています。
また、お気付きかと思いますが、年間ランキングの3位に核融合発電 基本のキの第1回である「核融合発電とは? 優位性や安全性などの基礎を解説」がランクインしており、同連載の記事が関心を集めました。
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