SBテクノロジーと日本ゼオンは、物性予測AIモデルへの秘密計算技術の適用に向けた実証実験を開始する。TEEによりAI処理を秘匿化し、複数企業間でのデータの安全な連携やAIの予測精度の向上を図る。
SBテクノロジーと日本ゼオンは2024年12月3日、物性予測AI(人工知能)モデルへの秘密計算技術の適用に向けた実証実験を開始すると発表した。プライバシーテックのTEE(Trusted Execution Environment:信頼可能な実行環境)によりAI処理を秘匿化し、複数企業間でのデータの安全な連携やAIの予測精度の向上を図る。
日本ゼオンはこれまでに、グループ内で保有するデータを基に、ゴムの物性を予測するAI開発を進めてきた。しかし、自社だけでは予測精度を上げるために必要な学習データが不足しており、顧客企業と実験データを連携するには、配合条件や物性予測結果といった顧客の秘匿情報を保護する必要があった。
今回実証するAIシステムは、TEEを介することでデータの秘匿性を確保し、顧客はそれぞれ分離したWeb環境からAI予測システムを利用できる。TEEを含むインフラ構築をSBテクノロジーが手掛け、日本ゼオンはゴム業界の専門知識が必要なアプリケーション開発を担う。
実証実験の期間は同月末までを予定する。両社は、データ連携によりAIモデルを強化し、同システムの業務利用を目指す考えだ。
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