富士フイルムは、半導体材料事業をさらに拡大するため、熊本県菊陽町に立地する生産拠点に先端半導体材料であるCMPスラリーの生産設備を増強する。
富士フイルムは2024年12月5日、半導体材料事業をさらに拡大するため、熊本県菊陽町に立地する生産拠点に先端半導体材料であるCMPスラリーの生産設備を増強すると発表した。2025年1月の稼働を予定する。CMPスラリーの生産能力を強化することで、AI(人工知能)向け半導体の需要拡大に伴うアジアでの需要増に対応する。
CMPスラリーは、硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平たん化する研磨剤で、高い成長性が見込まれている。富士フイルムは先端半導体の製造工程に必要な銅配線用CMPスラリーにおいて高いシェアを持ち、安定供給と品質要求に応えるため、CMPスラリーの現地生産強化を進めている。米国アリゾナ州、台湾の新竹市と台南市、韓国天安市にCMPスラリーの生産拠点を持つ他、2024年1月から熊本拠点でCMPスラリーの生産を開始している。
今回は、AI向け半導体の需要拡大に伴うアジアでのCMPスラリーの需要増に対応するために、半導体材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズが、約20億円を投じ熊本拠点に銅配線用を含めたCMPスラリーの生産設備を増強する。今回の設備投資により同拠点のCMPスラリーの生産能力を約3割拡大する。
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