自動車向けの組み込み型小規模言語モデルを発表車載ソフトウェア

セレンスは、自動車向けの組み込み型SLM「CaLLM Edge」を発表した。マイクロソフトと共同開発。自動車の制御コマンドやマップ上の検索、ナビゲーション、会話インタラクションなどの機能を備えた。

» 2024年12月02日 09時30分 公開
[MONOist]

 セレンスは2024年11月19日、自動車向けの組み込み型SLM(小規模言語モデル)「CaLLM Edge」を発表した。

 同社は、マイクロソフトとの協業によりCaLLM Edgeを開発、最適化した。セレンスの自動車データセットを用いて、マイクロソフトのSLM「Phi-3」をファインチューニングしている。38億のパラメーター、4ビットの量子化、4Kのコンテキストサイズを有する。

 温度やドア、窓、座席位置等に関する自動車のコントロールコマンドや、マップ上の地点検索およびナビゲーション、会話形式によるインタラクションといった機能を備えた。

 組み込み型専用(接続がない状態でも単独で機能)と、ハイブリッド型もしくはクラウド優先型(クエリへの回答方法の一つをSLMが担い、接続が切れた場合はバックアップとして機能)の双方で利用可能。クラウドに接続していない状態でも、生成AI(人工知能)による主要な機能や情報に常時アクセスできる。また、データをクラウドに送信しないため、データのプライバシー保護が可能となる。

 セレンスは、同社が有する自動車メーカーの顧客にCaLLM Edgeを提供する。また、マイクロソフトの「Microsoft Azure AIモデルカタログ」でも入手可能としている。

自動車向けの組み込み型SLM「CaLLM Edge」 自動車向けの組み込み型SLM「CaLLM Edge」 出所:セレンス

→その他の「車載ソフトウェア」関連記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.