ビジネスを進める上で、日本経済の立ち位置を知ることはとても大切です。本連載では「スキマ時間に読める経済データ」をテーマに、役立つ情報を皆さんと共有していきます。今回は日本の労働者数の変化についてご紹介します。
今回は、日本の労働者数の変化についてご紹介します。
日本は少子高齢化が進み労働者も少なくなっていくので、移民の受け入れを推進していくべきだといった話もよく聞くようになりました。すでに日本の人口は減少し始めていますが、労働世代の人口はもっと前から減っています。一方で、労働者数全体は横ばいのままであることを示す統計もあります。
また、日本は失業率が低く、就業率が高いともよく言われますね。このような日本の労働者に関する数値は、皆さんも働く上でぜひ知りたいと思うポイントでしょう。
今回は総務省統計局が発行する「労働力調査」を参照しながら、日本の労働者数の年齢階層別の変化や就業率について確認していきましょう。まずは、統計上で就業者や失業者など就業状態がどのように定義されているかを見ていきます。
労働力調査では、労働者を次のように区分して定義しています。
まずは15歳以上の人口全体を対象にとり、その中で働いているまたは働く意思/能力のある者を労働力人口とし、働かない/働けない者を非労働力人口としています。労働力人口は、普段仕事をしている就業者と、仕事をできるけれども休職中の完全失業者に分かれています。この区分は国際労働機関(ILO)の定義に沿ったもので、国際的に共通しています。
つまり就業者とは、仕事を持っていて働いている人全体を集計したものです。企業に雇われている従業員(雇用者)だけでなく、個人事業主や会社役員など働く人全般が該当します。
日本の就業者数はどのように変化してきたのでしょうか。まずは男女別の就業者数について、時系列に沿って見てみましょう。
図1が日本の就業者数の推移を表したグラフです。青が男性で赤が女性、黒が男女合計となっています。まず合計人数の変化を見ると、1970年では5094万人だったのが、1980年には5536万となり、日本経済の転換点となったといわれる1997年では6557万人となっています。
それ以降も多少のアップダウンはありますが、ほぼ6500万人前後で推移しています。2023年には6747万人となっています。
1990年のバブル崩壊から横ばいになり、1997年あたりで少し増加した後は再び横ばい状態になる、という特徴的な推移となっているわけです。
男女別で見てみると、男性労働者は1997年に3892万人でしたが、2023年には3696万人と200万人ほど減りました。女性労働者は1997年の2665万人から、2023年の3051万人へと400万人近くも増えていることになります。
25年ほどの間に男性労働者が200万人減り、女性労働者が400万人増えて、差し引きで200万人増加したことになりますね。
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