ニデックマシンツールは、パウダDED方式の金属3Dプリンタ「LAMDA」シリーズに搭載する5軸制御加工用ヘッドを開発した。複雑な形状の大型部品や自由曲面の積層造形を可能にする。
ニデックは2024年10月21日、グループ会社のニデックマシンツールが、パウダDED方式の金属3Dプリンタ「LAMDA」シリーズに搭載する5軸制御加工用ヘッドを開発したと発表した。
「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において、金属3Dプリンタ「LAMDA200」の実機とともに紹介する。
同製品は、ヘッド内に傾斜軸(A軸)と旋回軸(C軸)を組み込んだ「回転2軸組み込み型」だ。回転軸のストロークはA軸が−90〜+90度、C軸は−180〜+180度と可動域が広く、自由度の高い加工ができる。任意の角度での積層造形に対応し、テーブルの移動や回転が難しい大型ワークも加工できる。
ヘッド本体と駆動部を小型化したことで、既存の造形ヘッドの特徴であるレーザー照射径の可変機能は維持しながら、ノズル先端とワークの接近性が向上し、高速、高応答駆動が可能になった。複雑な形状の部品や自由曲面の加工が容易になる。
また、LAMDAシリーズの独自技術「ローカルシールドノズル」「モニタリングフィードバック機能」により、高品質で安定した加工に対応。ローカルシールドは、造形中に溶融池周辺を不活性ガス雰囲気にする機能で、アルゴンチャンバーなしで大気環境での造形を可能にする。モニタリングフィードバック機能は、レーザーと同軸に配置したカメラのモニタリング結果から、造形条件をリアルタイムに制御して、金属の溶融凝固を安定化させる。
同加工用ヘッドは、航空宇宙部品や自動車ボディーの金型、工業用大型刃物などの表面改質、補修造形において、生産性の向上とコスト低減に寄与する。
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