ニデックがデジタルツインプラットフォーム、大型工作機械の加工を精緻に再現工作機械

ニデックマシンツールは大型の工作機械を用いた加工において、リアルの世界を高精度にシミュレーションで再現するデジタルツインプラットフォームを開発した。「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」において初披露する。

» 2024年10月09日 06時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 ニデックマシンツールは2024年10月8日、大型の工作機械を用いた加工において、リアルの世界を高精度にシミュレーションで再現するデジタルツインプラットフォームを開発したことを発表した。「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において同技術を初披露する。

仮想空間上で機械の動きやワークの状態を精緻に確認

デジタルツイン技術のイメージ図 出所:ニデックマシンツール

 今回のプラットフォームは、金属部品加工の現場において作業者が多くの時間を割いている工程や機械稼働率を下げている要因を分析し、その解決策として、デジタル技術やAI(人工知能)を使ったアプリケーションソフトを開発、構築したものとなっている。

 具体的には、PCを用いた計算処理によってモニターに表示した3次元の仮想空間の中で、機械の動きやワークの状態を精緻に確認できるシステムとなっており、オペレーターは仮想空間上で加工時間、加工面、動作などを確認でき、実際の機械を使ったデバッグや試削が不要になる。

 機械を動かすために作成した加工用NCプログラムを仮想空間(PC上)でシミュレーションして、その完成度を極限まで向上させることができるため、工場では現実の機械とワーク(被加工物)を使った事前検証をすることなく、加工をスタートするだけで、狙った品質の成果物を得ることができる。

 再現性の高い同社の門型五面加工機では、人、場所に依存せずに一定品質を保った加工ができ、遠隔や多地点での生産を可能にするという。

 通常、オペレーターは加工に入る前に、動作干渉や切削負荷、サイクルタイムなどの確認とさまざまな加工条件の設定およびそれらプログラムの修正や試削を繰り返し行う。それら不具合の原因特定や修正作業には時間を要する。実機を用いると機械稼働率が上がらず、生産性を下げていることから、これら一連の作業を誰でも簡単にできるアプリケーションソフトを提供することで、生産性向上とオペレーターの負荷低減を図る。

 JIMTOF 2024の会場では、PCと門型五面加工機「MVR-Hx」を使って、ファナックのデジタルツイン技術を活用したデモンストレーションを実施する。

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