ニデックマシンツールは、遊星歯車機構向けの内歯車を高精度に仕上げる加工法を開発した。同社の量産用内歯車研削盤「ZI20A」を使用し、表面粗さRa0.1μm、Rz1.0μm以下をターゲットに最適な加工条件を導出した。
ニデックマシンツールは2024年2月9日、遊星歯車機構向けの内歯車を高精度に仕上げる加工法を開発したと発表した。ドイツのアーヘン工科大学と共同研究した成果の一部で、詳細は論文から確認できる。
新開発の加工法は「量産用内歯車ポリッシュ(研磨)加工法」と呼ばれ、従来の研削、ホーニング、スカイビング工法より高精度かつ量産に適した加工が可能になる。外歯車の量産用ポリッシュ加工法は確立されていたが、内歯車では未確立だったことから研究を進めていた。
内歯車の加工機は、優れた生産性で高精度な加工ができる、同社の量産用内歯車研削盤「ZI20A」を使用。消耗品の研磨砥石は入手のしやすさと経済性に加え、自動運転への適合性を事前に評価して選定した。ポリッシュ加工は表面粗さRa0.1μm、Rz1.0μm以下をターゲットとし、研削後の歯車精度ISO3〜5級を維持しながら、研削焼けを生じさせない高能率加工条件を導出した。
遊星歯車機構は電気自動車の駆動ユニットや変速機、ロボットの関節部分に用いられ、高効率、高負荷容量、コンパクトといった利点がある。一方で、内歯車のわずかな歪みが耐久性や伝達効率に影響するほか、騒音や振動発生の要因となることから高い品質が求められる。
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