“共同作業”に関する機能強化では、SOLIDWORKS 2025から、レンダリングソフトウェア「SOLIDWORKS Visualize」において、レンダリング用の外観モデルデータ形式「DSPBR」を、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)などでもおなじみの「glTF」形式でエクスポートできるようになった。「glTF形式に吐き出せることで、きれにレンダリングされた3Dモデルを『PowerPoint』の資料などに取り込むことができるようになり、360度任意の視点で3Dモデルを確認できる。マーケティング用の資料作成や営業活動、プレゼンテーションなどに役立てられる」(遠藤氏)。
SOLIDWORKS 2025の提供開始は2024年11月15日からとなる。なお、SOLIDWORKS 2025のプレビュー版ではAI(人工知能)を活用したコマンド予測の機能なども提供されているが、原稿執筆時点(2024年10月31日)では正式版にこれが組み込まれるかどうかは分かっていない。
SOLIDWORKS 2025と併せて発表されたのが、新パッケージとなるSOLIDWORKS Ultimateだ。
現在、SOLIDWORKSは、3DEXPERIENCEプラットフォームとの接続を前提とした“クラウド版”ともいえる「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」と、従来の“デスクトップ版”のSOLIDWORKSが存在する(デスクトップ版は「Cloud Services」によって3DEXPERIENCEプラットフォームとの接続を可能にする)。それぞれ、Standard、Professional、Premiumの3段階のグレードがあるが、新たにUltimateを追加した。
SOLIDWORKS Ultimateは、従来の最上位グレードだった「SOLIDWORKS Premium」と、クラウドベースの3DEXPERIENCE Worksポートフォリオが提供する複数のロール(製品)をセットにしたもので、製品設計からシミュレーション、検討/協議、データ管理、マーケティング、製造検討までをカバーする(さらにこれらを効率的に学習できる学習ツールも併せて提供される)。
「SOLIDWORKS Ultimateは、設計領域を超えた製品開発プロセス全体をカバーする機能を、クラウドベースのロールという形で提供するものだ。設計の領域を越え、横串で製品開発プロセス全体を担うような人材を“パワーユーザー”と定義し、部分最適化によるサイロ化した状態から脱し、さまざまな関係者とコラボレーションしながら製品開発が進められる環境を提供する。また、単に情報を共有することにとどまらず、その情報を使って実際にアクションにつなげられる人材に向けてSOLIDWORKS Ultimateを訴求していきたい」(遠藤氏)
SOLIDWORKS Ultimateの提供開始についても、SOLIDWORKS 2025と同じく2024年11月15日からとなる。
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