“作業の効率化”に関する機能強化として、SOLIDWORKS 2025では面取り作業の一括選択が可能となった。「SOLIDWORKS 2024ではフィレットのみ一括選択でき、面取りは都度選択する必要があったが、最新バージョンのSOLIDWORKS 2025ではフィレットと同じく面取りも一括選択できるようになった」(遠藤氏)。
また、SOLIDWORKS 2024では「解除済みモード(全てのCADデータを開くモード)」と「ライトウェイトモード(一部の詳細情報をマスキングして開くモード)」で開いたCADデータのみ干渉チェックすることができたが、SOLIDWORKS 2025からは「大規模デザインレビューモード(表示情報のみで開くモード)」で開いたCADデータに対しても干渉チェックが行えるようになった。「大規模アセンブリを扱う製品開発の現場で作業効率の向上が見込める機能強化といえる」(遠藤氏)。
「SOLIDWORKS MBD(DimXpert)」における寸法付けも強化された。SOLIDWORKS 2024で3Dモデルに3D寸法(PMI:製品製造情報)を付ける際は、いちいち手作業で付け直す必要があったが、SOLIDWORKS 2025では3Dモデルを作成するために描いた2Dスケッチの寸法を3Dモデルに反映することが可能になった。
「SOLIDWORKS Simulation」の利用において、SOLIDWORKS 2024まではアセンブリの中から解析したい部品を選択してシミュレーションを行う必要があったが、SOLIDWORKS 2025からはそれに加えて、アセンブリから解析しない部品を削除して(選んで)シミュレーションできるようになった。「例えば、10個の部品で構成されるアセンブリから9個の部品を対象に解析したいと考えた場合、これまでは9回解析対象の部品を選択(クリック)する必要があった。これに対し、SOLIDWORKS 2025では解析したくない部品を1つクリックするだけで済む」(遠藤氏)。
シミュレーション関連では、射出成形用の解析ソフトウェア「SOLIDWORKS Plastics」の機能強化が挙げられる。従来のバージョンでは反りの解析において、トータルの変位しか評価することができなかったが、SOLIDWORKS 2025からは反りの主原因といわれる不均一な収縮、冷却差、繊維配向性に分解し、それぞれに起因する変形量を確認できるようになった。「この機能強化によって、どこにアプローチすれば反りを改善できるかの判断が迅速に行え、対策をスピーディーに施せるようになる」(遠藤氏)。
“作業の迅速化”に関する機能強化として、SOLIDWORKS Simulationにおけるメッシュ作成時間の短縮が挙げられる。SOLIDWORKS 2024以前のバージョンではメッシュの再利用ができなかったが、SOLIDWORKS 2024からブレンド曲率ベースメッシュ生成のメッシュを再利用できるようになっている。SOLIDWORKS 2025では、そこからさらに中間接点の再利用が可能となり、「メッシュの再利用ができなかったころと比較して、メッシュ作成時間が半減している」(遠藤氏)という。
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