千葉大学は、コバルト−酸化ジルコニウム光触媒への紫外可視光の照射により、二酸化炭素から飽和炭化水素(パラフィン)を、一酸化炭素からは不飽和炭化水素(オレフィン)をそれぞれ生成できることを確認した。
千葉大学は2024年10月7日、コバルト(Co)−酸化ジルコニウム(ZrO2)光触媒へ紫外可視光を照射し、CO2から飽和炭化水素(パラフィン)を、一酸化炭素(CO)から不飽和炭化水素(オレフィン)を生成できることを確認したと発表した。
研究では、通常のCO2の炭素原子を質量の異なる13Cに置き換える同位体標識を行った13CO2を反応物として用いて、Co-ZrO2光触媒によるCO2光還元反応試験を実施した。その結果、13C-エタン(13C2H6)と13C-プロパン(13C3H8)を生成できた。同様に13COを用いた光照射と真空処理、13CO暴露を繰り返す実験では、13C-エチレン(13C2H4)と13C-プロピレン(13C3H6)を主生成物として得られた。
COはAg-ZrO2光触媒により、CO2から容易に選択還元できる。そのため、用途に応じた炭化水素をCO2から自在に生成できると考えられる。
CO2の光還元による燃料や化学原料の生産を社会実装するには、生成物の高付加価値化が重要だ。研究グループはCO2からのメタノールやエタノール、酢酸の光選択合成も視野に入れ、水中での合成の研究を進めている。
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