LIXILは移動が可能な布製の浴槽「fabric bath(ファブリックバス)」を備えた新コンセプトの浴室空間「bathtope(バストープ)」を2024年11月26日に発売する。
LIXILは2024年10月18日、東京都内で記者会見を開き、移動が可能な布製の浴槽「fabric bath(ファブリックバス)」を備えた新コンセプトの浴室空間「bathtope(バストープ)」を同年11月26日に発売すると発表した。【訂正あり】
bathtopeという名称は、日本の入浴文化を示す「bath」と生態系の最小単位を表す「biotope」を組み合わせた造語で、「自由で柔軟な浴室」を表現している。
bathtopeのコンセプトは、「夏はシャワー、冬は浴槽浴など季節による使い分け」「忙しい平日と時間のある休日での使い分け」「落ち込んだ日にゆっくり入浴するような気分での使い分け」の実現だ。
【訂正】初出時に、「biotope」を「biotpe」と掲載していました。お詫びして訂正致します。
bathtopeは、シャワールームだけでなくバスルームとしても使える新カテゴリーの浴室空間だ。シャワールームユニットとfabric bathを備え、サイズは0.75坪の1サイズのみ。0.75坪でも長辺方向に1600サイズのfabric bathを設置できる。
fabric bathの使用手順は、まずbathtopeのフックに掛かったbathtopeを下ろす。次にbathtopeの左右にある取り付け部分にbathtopeを装着し、シャワーで湯をためる。入浴後は、湯を流しbathtopeのフックに掛け直す。
fabric bathは、素材の柔らかさと質感により、包まれるような入浴体験が行える。硬い素材のバスタブにはない弾力性や浮力が感じられる。特に背中から首にかけて素材が体にフィットしリラックス姿勢をサポートする。体にフィットするため浴槽容量は140リットル(l)で、同じ1600サイズのFRP浴槽(浴槽容量190l)と比べて約26%の節水を実現している。
fabric bathの使用素材は主にPETとポリウレタンだ。各部品は分別しやすく、梱包素材は紙製で環境に優しい。耐荷重は300kgで、浴槽洗剤を用いた洗濯にも対応している。
LIXIL Water Technology Japan 浴室事業部 浴室開発部 デザイングループ グループリーダーの長瀬徳彦氏は「fabric bathのデザインは困難だったが、最終的には縫製箇所を最小限にしたシンプルな形状にたどり着いた。多くの試作体を作成し、社内外で延べ180人が入浴テストを行った。当社の経営層も入浴して評価した」と述べた。
bathtopeの価格は、2セットのfabric bathとスリムテンバ―引き違い戸を採用した「Gタイプ」が200万円で、2セットのfabric bathと片引き戸を搭載した「Sタイプ」が85万円、1セットのfabric bathと片引き戸を備えた「Eタイプ」が55万円となる。いずれも税別で標準仕様だ。なお、Gタイプのみ2025年春以降の発売を予定している。
LIXIL Water Technology Japan 浴室事業部 事業部長の久保雅義氏は「メインターゲットはマンションリフォームでの採用で、普段の生活で浴槽を使わずシャワーのみを使用する機会が多い2人世帯での導入を想定している。ただ、グランピング施設やホテルなどからも引き合いを受けており、各施設に向けても展開する考えだ」と語った。
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