パナソニック コネクトが佐賀工場を閉鎖、“先進モノづくり”の実践が困難に工場ニュース

パナソニック コネクトは2025年9月に佐賀工場(佐賀県鳥栖市)を閉鎖すると発表した。同工場の機能はパナソニックグループの主要拠点である門真地区などへ移管する予定。

» 2024年10月07日 06時15分 公開
[MONOist]

 パナソニック コネクトは2024年10月4日、佐賀工場(佐賀県鳥栖市)を2025年9月に閉鎖すると発表した。同工場の機能はパナソニックグループの主要拠点である門真地区などへ移管する予定。今後、同工場の敷地については「引き続き地元経済に貢献する姿を目指し、新たな活用を探る」(パナソニック コネクト)としている。

佐賀工場の外観 佐賀工場の外観(2018年4月時点)

 佐賀工場は1964年に九州松下電器(当時)の佐賀事業部として発足した。同社の本社拠点である福岡工場以外では初の拠点であり、当初は単三マンガン乾電池を生産していた。以降60年にわたって、プリンタ、電子黒板、スキャナー、電話/ファクス、複合機、ビジネスファクス、セキュリティ関連やコミュニケーション関連システム、サービスパーツの生産など、パナソニックグループ傘下の各事業部のさまざまな製品のモノづくりを担ってきた。

 2017年には、パナソニック コネクトの前身にあたるパナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社の佐賀工場として、コストセンターからプロフィットセンターへの転換を図り、同社が目指す先進モノづくりを実践/けん引する場に位置付けられた。

 現在は、生産受託をベースに、さまざまなモノづくりノウハウをPoC(概念実証)を通じて確立するとともに、他工場のモノづくり共通プラットフォーム創出機能、さらには顧客の現場課題を解決するソリューション提案も行う工場として、その機能を果たしてきたという。

 しかし、近年の市場環境の変化および事業変革の中で、佐賀工場での生産は減少している。自社製品生産比率は2023年時点で70%であり、今後は関連企業向けのみの生産状況になる見通し。これまで自社製品生産の中で自由度を持って取り組んできた、先進モノづくりを実践/けん引する場としての役割や機能の維持/継続が困難になっていた。

 佐賀工場の敷地面積は6万1854m2、建屋の延べ床面積は4万472m2。

 なお、パナソニック コネクトは2023年12月に津山工場(岡山県津山市)を、2024年1月に福島工場(福島県福島市)を閉鎖することを発表している。

 今回の佐賀工場の閉鎖により同社の国内工場は、実装機を手掛ける回路形成プロセス事業部傘下の甲府工場(山梨県昭和町)、溶接ロボットを扱う溶接プロセス事業部傘下の豊中工場(大阪府豊中市)と加賀工場(石川県加賀市)、レッツノートやタフブックなどのPC製品を展開するモバイルソリューションズ事業部傘下の神戸工場(神戸市西区)から成る体制になる。

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