川崎重工が単腕6軸の協働ロボット投入へ、市場拡大でラインアップ強化協働ロボット

川崎重工業は「Japan Robot Week 2024」において、開発中の6軸垂直多関節の協働ロボット「CLシリーズ」を披露した。リリースに向けて準備中としている。

» 2024年09月20日 06時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 川崎重工業(以下、川崎重工)は「Japan Robot Week 2024」(2024年9月18〜20日、東京ビッグサイト)において、開発中の6軸多関節協働ロボット「CLシリーズ」を披露した。リリースに向けて準備中としている。

可搬重量は3〜10kgまで、全モデルIP66に準拠

左から「CLシリーズ」の「CL103N」「CL105N」「CL108N」

 今回、参考出展として紹介されたのは可搬重量3kg、最大リーチ590mmの「CL103N」、可搬重量5kg、最大リーチ800mmの「CL105N」、可搬重量8kg、最大リーチ1300mmの「CL108N」、可搬重量10kg、最大リーチ1000mmの「CL110N」の4モデルだ。

 いずれのモデルも位置繰り返し精度は±0.02mmで、防塵(じん)防水の保護等級「IP66」に準拠しており、過酷な環境でも使用できる。軽量設計で壁掛けや天吊りでの設置が可能となっている。独自の安全設計やトルクセンサー、衝突検知機能などの安全機能を備え、ダイレクトティーチングにも対応している。

 ブースでは、アーム付き自律移動型ソーシャルロボット「Nyokkey」とCL110Nによるデモンストレーションを披露。Nyokkeyが自走して運んできたワークを作業台に置くと、CL110Nが加工機へワークを投入して、取り出すマシンテンディングの動作を行った。

Nyokkeyが自走しながらワークを運び、CL110Nが加工機に投入するデモ

 川崎重工は協働ロボットとしてこれまで、双腕スカラロボットの「duAroシリーズ」を展開してきた。単腕型の協働ロボットは初となる。協働ロボットは、適切にリスクアセスメントを行うことで、人とロボットが同じ空間で作業することができる。安全柵を設置せずに済むため省スペースでの導入が可能だ。

「ユーザーからは単腕のニーズも大きくなっており、その声にお応えするため、ラインアップを強化する。協働ロボットの市場は広がっており、ユーザーがやりたいことも多様化している。作業内容に応じて双腕も、単腕も提供できる点を強みにしていく」(川崎重工の説明員)

NyokkeyとCLシリーズの特徴[クリックで拡大]
生成AI(人工知能)を活用し、Nyokkeyが即興で質問に答えるデモも[クリックで拡大]

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