ブラザー工業は「コンパクトマシニングセンタ SPEEDIO S300Xd2/S500Xd2/S700Xd2(Sシリーズ)」と、5軸加工機 「ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ SPEEDIO U500Xd2(Uシリーズ)」を発売した。
ブラザー工業は2024年8月26日、従来モデルから加工領域を拡大した「コンパクトマシニングセンタ SPEEDIO S300Xd2/S500Xd2/S700Xd2(Sシリーズ)」と、5軸加工機 「ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ SPEEDIO U500Xd2(Uシリーズ)」を同日に発売したことを発表した。
Sシリーズはテーブル移動による前後、左右、工具が垂直に移動する上下動が可能なマシニングセンタで、汎用さと生産性の高さからSPEEDIOシリーズでは最も売り上げ台数の多いモデルとなっている。工具搭載本数は、14本、21本、28本が搭載可能なモデルを用意している。
今回発売する新モデルは、ユーザーからの要望を反映し、機能強化を図っている。従来モデルに比べ、加工エリアの奥行き(Y軸移動量)、高さ(Z軸移動量)とテーブルサイズを大きくすることで加工領域を広げた。これにより、加工物の大型化、形状の複雑化への対応の他、搭載可能な治具が増えることなどにより、工程集約への対応能力が向上した。
ベアリング径を従来モデル比で10%拡大するなど主軸を強化して剛性を高めた。これにより、鉄の重切削加工をはじめ、ステンレスやチタン合金など幅広い部品の加工に威力を発揮する。他、CNCの機能強化、暖機レス加工支援機能の追加など、生産現場をサポートできる領域が広がっている。
Uシリーズは、コンパクトな本体に大型の傾斜ロータリーテーブルを搭載することで、多面加工を可能にしている。Sシリーズなどの3軸に加え、テーブルが回転、傾斜する2軸を利用して、多面を割出して加工できる。これらの軸を同時に動かすことで、滑らかな曲線形状が要求される部品などを加工できる同時5軸制御が可能なモデルもラインアップしている。
今回、発売するU500Xd2は、従来モデルと比較してY軸およびZ軸移動量拡大により加工エリアが拡大。大型ワークの多面加工や、搭載可能な治具が増えることなどにより、工程集約への対応能力を向上させた。
今回からリリースされるモデル以降、環境負荷の低減を実現する新しい機能を追加する。チップシャワー省エネ運転や暖機レス加工支援機能などの新機能で。従来モデルと比較して、約30%の大幅な消費電力の削減を実現。エアに関わる機能を最適化し、工作機械使用時のエネルギーの無駄も削減している。
なお、これらの新モデルは「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において展示する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.