DNPは、太陽電池の電極やセルなどを保護する封止材の生産能力を2023年比で2倍に増強する。
大日本印刷株式会社(DNP)は2024年8月6日、太陽電池の電極やセルなどを保護する封止材の生産能力を2023年比で2倍に増強すると発表した。投資額は約30億円で、この設備は2025年内に稼働させる予定だ。
DNPは2005年から、泉崎工場(福島県西白河郡)で太陽電池用の封止材を生産している。今回、泉崎工場の生産能力を増強することで、脱炭素社会の実現に向けた、世界各国/地域での再生可能エネルギー(太陽電池など)導入の加速に対応していく
国内外では、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みが推進されている。環境負荷低減の施策の1つとして、再生可能エネルギーである太陽光の利用も進んでおり、太陽電池の導入の加速が見込まれている。近年の太陽電池の世界市場は、年平均10〜20%で伸長しており、2030年には世界の累計設備容量が5.5テラワット(TW)規模となり、世界の電力量需要の約12%を太陽光発電が占めると予測されている。
そこで、世界的な太陽電池の需要拡大に対応するため、DNPは泉崎工場の封止材の生産能力を従来の約2倍に増強する。
太陽電池用封止材は、太陽電池の内部の電極やセルを保護し、湿気、塵埃(じんあい)、酸素、紫外線などによる外部環境からの損傷を防ぐシートだ。同社は、発電効率が高い太陽電池向けオレフィン系樹脂の封止材を提供しており、バリア性や長期信頼性などの品質の高さが評価されている。なお、オレフィンは、焼却しても有害なガスがほとんど発生しない環境配慮材料でもある。
今後は、今回の設備増強の他、「DNP太陽光発電所用反射シート」などの周辺部材の製品開発を進め、太陽電池関連部材事業で2027年度に年間200億円の売上高を目指す。
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