大日本印刷は、東京都内のDNP市谷加賀町第3ビルに開設した共創施設「P&Iラボ・東京」を2023年5月8日にオープンした。
大日本印刷(DNP)は2023年5月25日、東京都内のDNP市谷加賀町第3ビルに開設した共創施設「P&Iラボ・東京」で内覧会を開いた。
P&Iラボ・東京は、パートナー企業との「対話と協働」を促進することを目的に掲げ、同年5月8日にオープンした施設で、利用方法はDNPの営業担当者からの紹介を介した完全予約制となっているが、既に1日当たり3〜5社の企業が来場し、対話によって業界/社会の課題を引き出すことで、協働につなげているという。
施設は地下1階の「ウエルカムゾーン/ホール」や地下2階の「技術ゾーン」、地下3階の「体験ゾーン」で構成されている。ウエルカムゾーンは、DNPの強みをプレゼンテーションする場で、印刷と情報の技術を組み合わせたP&I(Printing&Information)に関するこれまでの取り組みやDNPの製品で作られた模型「DNP P&I CITY」を展示中だ。
P&Iに関するこれまでの取り組みでは、西洋式の本づくりの国産化やセロハン印刷の開始、電子辞書のデータ化などを紹介している。DNP P&I CITYは、ミニチュア写真家/見立て作家の田中達也氏が作成した模型で、下町エリア、都心エリア、湾岸エリアから成り、各エリアの建物や植物、海岸、プールなどは、DNPが生産したパッケージや印刷物、フィルム、ペットボトルなどで作られている。
ホールでは、プライベート展示やセミナーにより情報発信を行うだけでなく、外部パートナーとのコラボレーション活動を実施している。
技術ゾーンでは、暮らしを変えたDNPの技術、技術を掛け合わせたP&Iの技術、豊かな社会を実現するDNPの提供価値、コラボレーションに向けた製品を紹介。暮らしを変えたDNPの技術では、編集から製本/加工までの印刷プロセスで貢献した技術として、株券の製版に採用された微細加工技術、軟包装に活用された精密塗工技術などを披露している。
技術を掛け合わせたP&Iの技術では、P&Iの技術をまとめたパネルやP&Iの展開をイメージしたパネル「技術の樹」、P&I技術の情報を確かめられるモニターシステム、フジサンケイグループ主催の「第28回地球環境大賞」で大賞を受賞した「DNP多機能断熱ボックス」などを展示している。
P&I技術の情報を確かめられるモニターシステムは、P&Iの技術が記入されたパズルのピースを読み取り部に設置することで、記入されたP&I技術の情報を表示し、概要を確認できる。
DNP多機能断熱ボックスは、ガス(気体)透過性の低いハイバリアフィルムを活用した真空断熱パネルをボックスの全ての壁面に利用することで、高い断熱性を持たせている。輸送時には、電源がない環境でも内部の温度を長時間一定範囲に保つ。
加えて、独自に開発したソフトウェアにより、同梱する保冷剤の量などを最適化することで、効果的に長時間の定温輸送を実現するため、真夏の荷物の積み替え時や冷凍/冷蔵機能を持たない常温車を利用した輸送でもコールドチェーンを維持できるという。
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