魁半導体は、医療用注射針などの製造工程において、針管と針基の接着を強化するためのプラズマ処理装置「針用真空プラズマ装置 TSM-90」を発売した。プラズマ技術で、カヌラとハブの接着と接着強化のための表面汚染物質の除去を同時に実施する。
魁半導体は2024年7月11日、医療用注射針などの針の製造工程において、カヌラ(針管)とハブ(針基)の接着を強化するためのプラズマ処理装置「針用真空プラズマ装置 TSM-90」を発売した。価格は110万円(税別)で、同社によると針に特化したプラズマ装置は業界初だ。
TSM-90は、プラズマ技術により、カヌラとハブの接着と接着強化のための表面汚染物質の除去を同時に実施する。ステンレス製注射針の処理に必要な時間は約10秒間で、従来の処理と同等以上の接着強度を保つ。また、表面の微細な汚染物質や酸化物を効率的に除去できるため、接着不良の原因となる要素が排除される。
従来、接着強化のための表面汚染物質除去には、薬剤を用いた化学洗浄処理法が用いられてきた。近年は、環境負荷低減のため、廃液処理が必要な化学洗浄に代わる処理法として、プラズマ技術が注目されている。
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