整形外科腫瘍学への3Dプリントモデルの使用の評価を目的に臨床試験を実施3Dプリンタニュース

StratasysとRicoh USAは、整形外科腫瘍学への3Dプリントモデルの使用の評価を目的とした臨床試験で最初の患者を登録した。患者個別の3Dプリント人体モデルの有効性を評価する。

» 2024年07月31日 09時00分 公開
[MONOist]

 Stratasys(ストラタシス)は2024年6月26日、Ricoh USAと共同研究で、整形外科腫瘍学への3Dプリントモデルの使用の評価を目的とした臨床試験で、最初の患者を登録したと発表した。現在のCTやMRIによる画像診断のみに頼る標準治療と比較し、術前計画や腫瘍切除での患者個別の3Dプリント人体モデルの有効性を評価する。

 共同研究の目的は、出血量の減少、麻酔時間を含む手術時間の短縮、手術合併症リスクの減少など、手術成績を改善する可能性について実証することで、標準治療と臨床成績を比較する。具体的には、腫瘍を3Dプリンタの造形物を用いて切除する実験グループと、画像診断のみで切除する積極的比較グループとで比較する。

 前向き無作為化比較試験は、12カ月間を予定。3施設で最大150人が被験者として参加する予定だ。現時点で参加に同意しているのは、オハイオ州立大学Wexner Medical CenterおよびCorewell Healthの2施設となっている。

 術前計画での3Dプリンタによる造形は、患者の解剖学的構造の重要な側面を実物大の物理的なモデルで表現でき、手技のシミュレーションや切除の精度を向上できるため、断端陽性の可能性を減らせる。正確な3Dプリンタの造形が利用可能になることで、計画した処置がよく伝わり、手術プロセスや患者の予後と回復が改善する。

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