「白くまくん」はボッシュ買収後も栃木事業所で生産、雇用も継続製造マネジメントニュース

日立ジョンソンコントロールズ空調は、ボッシュに買収された後の日本国内における事業の方向性について説明。1975年に日立ルームエアコンの総称として採用され、2025年に50周年を迎える「白くまくん」を今後も国内事業で継続して展開していくことを明言した。

» 2024年07月29日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 日立ジョンソンコントロールズ空調は2024年7月26日、オンラインで会見を開き、ボッシュ(Robert Bosch)に買収された後の日本国内における事業の方向性について説明した。1975年に日立ルームエアコンの総称として採用され、2025年に50周年を迎える「白くまくん」を今後も国内事業で継続して展開していくことを明言した。

 ボッシュは2024年7月23日、日立製作所(以下、日立)の子会社である日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)と米国ジョンソンコントロールズインターナショナル(Johnson Controls International、以下JCI)の空調事業の合弁会社であるジョンソンコントロールズ日立空調(以下、JCH)の買収を発表している。

日立ジョンソンコントロールズ空調 日本&台湾バイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーの菊地正幸氏 日立ジョンソンコントロールズ空調 日本&台湾バイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーの菊地正幸氏

 今回会見を行った日立ジョンソンコントロールズ空調はJCHの日本法人に当たり、生産拠点は栃木事業所(栃木県栃木市)と清水事業所(静岡市清水区)である。これらのうち業務用空調機器の開発/製造拠点である清水事業所については、ボッシュによるJCHの買収プロセスの中で日立GLSが取得することが決まっている。一方、日本国内向けに家庭用ルームエアコンを生産する栃木事業所の方向性については明確な報道が少なく、日立ジョンソンコントロールズ空調への問い合わせが増えていたという。

 日立ジョンソンコントロールズ空調 日本&台湾バイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーの菊地正幸氏は「ボッシュの買収後も、栃木事業所ではこれまで通り日本国内向けの家庭用ルームエアコンの開発と生産を継続する。そして、栃木で生産された家庭用ルームエアコンは、日立GLSを通して日本国内向けに白くまくんブランドで販売/サービスを行う」と語る。

 日立ジョンソンコントロールズ空調の従業員数は約3700人で、栃木事業所は約1600人、清水事業所は約1500人が所属しており、年間生産台数は栃木事業所が60万〜80万台、清水事業所が20万〜40万台となっている。栃木事業所については従業員の雇用をそのまま継続する方針であり、同事業所に部品などを供給しているサプライヤーについても変更はないという。

 なお、栃木事業所は家庭用ルームエアコンの国内生産回帰を進めており、2024年春には目標としていた国内生産比率50%を達成した。残りの50%は、日立ジョンソンコントロールズ空調が統括する中国安徽省の蕪湖工場を中心に生産している。菊地氏は「足元で国内外とも事業は好調に推移している。今後はボッシュの技術力が生かされることでさらに良い展開になることを期待している」と述べている。

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