収益化の成功率が15%のデータマネタイゼーション、クニエがアイデア抽出を支援イノベーションのレシピ(2/3 ページ)

» 2024年06月18日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

データマネタイゼーションを5つのフェーズに分けて進める

 クニエは、データマネタイゼーションを「アイデア抽出」「検証」「事業計画」「準備」「グロース」という5つのフェーズに分けて進める形で全体像を描いている。今回発表したのは、最初のフェーズとなるアイデア抽出に対応するサービスだ。そのアプローチとコンセプトは「自社のアセットである自社保有データの価値であるシーズとターゲット顧客の課題であるニーズを掛け合わせて網羅的にアイデアを抽出する」(天野氏)である。

データマネタイゼーションの5つのフェーズ データマネタイゼーションの5つのフェーズ[クリックで拡大] 出所:クニエ
データマネタイゼーションのアイデア抽出サービスは3つのステップから構成される データマネタイゼーションのアイデア抽出サービスは3つのステップから構成される[クリックで拡大] 出所:クニエ

 まず、ステップ1の「データアセットの整理」では、保有データを洗い出し、データが持つ価値を定義する。なお、データの価値とは、データから分かることとして何らかの価値として表現される。また、データの価値について、そのデータを使ってメリットを得る組織や人、利用用途などを具体化したものが活用シーンとなる。天野氏は「データの価値を定義することで、具体的な価値を広く、網羅的に抽出できるようになる」と述べる。

ステップ1の「データアセットの整理」 ステップ1の「データアセットの整理」[クリックで拡大] 出所:クニエ
「データアセットの整理」で定義するデータの価値とは 「データアセットの整理」で定義するデータの価値とは[クリックで拡大] 出所:クニエ

 ステップ2では、データを生み出している既存事業のステークホルダーや、顧客のジャーニーなどの観点からターゲットとなる顧客を網羅的に洗い出した上で、ステップ1で得たデータの価値と掛け合わせてアイデアを創出する。

ステップ2の「アイデア創出」 ステップ2の「アイデア創出」[クリックで拡大] 出所:クニエ

 最後のステップ3では、マネタイズの可能性、実現性の評価を行い、以降のフェーズで実際に事業化の検討に進む有望アイデアを選定し、概略の企画書を作成する。

ステップ3の「選定」 ステップ3の「選定」[クリックで拡大] 出所:クニエ

 今回提供するのはデータマネタイゼーションのアイデア抽出サービスだが、クニエは2024年夏〜秋に検証フェーズのサービス化も検討している。また、検証フェーズについては、Google Cloudの「Looker」を用いたMVP(Minimal Viable Product)の短期構築サービスも提供する予定だ。

検証フェーズのサービス化も検討中 検証フェーズのサービス化も検討中[クリックで拡大] 出所:クニエ

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