タブレット端末やスマートフォンのカメラ機能を通して、ロボットを設置したい空間にOVRシリーズを配置し、サイズ感や動作した時の様子をシミュレーションできるアプリケーションも公開している(iOS版のみ)。同様の機能をVRゴーグル「Meta Quest」を使って行うアプリケーションも公開予定だ。
プログラムはラダーなどの専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップなどで直感的に作成できる。P to P運転や直線補間運転、円弧補間運転、アーチモーション、パレタイジングなどに対応している。さらに上位の制御機器からEtherNet/IP経由で直接実行することもできる。
人手不足が課題となる中で、製造現場のさらなる自動化に対するニーズは高まっているが、ロボットに合わせて生産ラインのレイアウト変更が必要になったり、既製品のロボットではスペックが高過ぎて価格に見合わなかったり、導入後の保守、メンテナンスが手間になったりするなどの課題もある。
そこで、オリエンタルモーターでは数年前から、ユーザーに対してロボット内製化の支援をしてきた。同社のモーターを使い、ユーザー自身が自らの設備に合わせた最適なロボットを作ることで、既存設備を生かしながら最小限の変更でロボットを導入できる。大きな故障でなければ自ら対応できるので、素早い復旧にもつながる。他社と差別化でき、モノづくりの優位性を持てるという目的で内製を検討する企業も少しずつ増えてきているという。オリエンタルモーターの工場内でも内製したロボットを活用している。
2022年には、プログラミングや制御に関する難易度の高さの解決を目指し、MRC01とMRC Studioを開発、発売した。ただ、ギヤやボールねじなどの機構設計、センサーの配置 、配線設計など設計にまつわるハードルが高いために内製に踏み切れないユーザーもいたという。そこで、完成品の小型ロボットを開発し、グループ会社のオリムベクスタで販売してきた。オリエンタルモーターとしても2024年6月3日からOVRシリーズの販売を開始する。
その他、同社では2024年5月20日から、ステッピングモーター「CVDシリーズ」に、外部センサーとの組み合わせで1μm以内の高精度位置決め運転を実現するフルクローズド制御タイプを発売。リニアスケールやロータリーエンコーダーで検出した位置情報を基に位置補正運転が行えるドライバであり、機械端の位置をリニアスケールなどのエンコーダーで直接検出できるため、指令した座標値と実際の座標値に誤差が生じにくく 、高精度な位置決め運転を実現する。半導体の微細化などにより、位置をはじめ装置の高精度化の要求に対応するため開発した。
さらに同社では、6月18日から高効率ブラシレスモーターとDC24Vの小型ドライバ を組み合わせ、幅広い動力用途で簡単に使用できるブラシレスモーター「BLSシリーズ」を発売する。
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