Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2024年5月29日から、日本においてクラウドベースのインダストリアルインテリジェントプラットフォーム「CONNECT(コネクト)」の提供を開始する。
Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2024年5月28日、東京都内で記者会見を開き、日本において同月29日より提供を開始する、同社のクラウドベースのインダストリアルインテリジェントプラットフォーム「CONNECT(コネクト)」の概要について発表した。
CONNECTはさまざまなソースから幅広い形式のデータを集め、ユーザーが設備資産データに対して安全にアクセスし、可視化、検証、共同作業などができるプラットフォームとなっている。クラウド基盤はMicrosoftのAzureを活用する。AVEVAのソフトウェアの他、シュナイダーエレクトリックのEcoStruxure、ETAPなど多数のプロバイダーのソリューションを統合している。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるためには、現場で得られたデータの利活用が必要だ。だが、電気系統と制御といったデータの種別や、設計、運用、保守などのフェーズによって情報がサイロ化され、さらにリモート環境からはデータへのアクセスが制限されているケースが多い。こうした環境では、企業全体で一元的にデータを管理すること、それらデータの持つ文脈をリアルタイムに理解し、経営判断に生かすことが非常に難しい。
シュナイダーエレクトリック インダストリー事業部 バイスプレジデントの角田裕也氏は「DXを進めている企業に多く見られる共通の問題は、データは取っているがどう活用したらいいか分からない、あるいは、データがバラバラな場所にたまっているため、どう統合したらいいか分からないという点だ。集めてきたデータを、どのように見て、分析するのかが重要であり、それらを行うためのプラットフォームになる」と語る。
主なサービス領域は4つとなっている。
CONNECT Data ServiceではBI(ビジネスインテリジェンス)、AI(人工知能)、機械学習ツール用の一元的なデータリポジトリを構築、管理した上で、明示的に許可したユーザーのみにデータを安全に共有。サードパーティープロバイダーなどとも同一の産業データにアクセスし、拡張的なデータ活用が可能になる。
CONNECT Visualizationでは、CONNECT上のデータを使ったさまざまコンテンツやダッシュボードをノーコードで作成できる。一から画面を構築するセルフサービスと、あらかじめ開発された画面を基に編集する事前定義済テンプレートの2種類から選択できる。
CONNECT Modeling&AnalyticsはAIや機械学習を活用し、データを高度に分析、予測するサービスで、ノーコードでデータの前処理からモデル作成、データ検証まで実装可能だ。品質や生産性、エネルギー効率などを予測分析する。
CONNECT アプリケーション開発サービスでは、パートナー企業や開発者が、ユースケースの拡張、強化ソリューションを構築できる。
CADなどの設計のデータまで統合できる点も特徴だ。「何か製品に不具合があった時に、部品が壊れているのか、設計データに問題があるのか、いろいろな可能性が考えられる。それぞれのデータの置き場所が異なれば、原因を探すことに時間がかかってしまうが、1つのデータベースにまとまっていればそれを大幅に効率化できる。生成AIに分析させることも可能になる」(角田氏)。CONNECTにデータをためるのだけでは料金は発生せず、そのデータを活用する際に料金がかかる仕組みとなっている。
シュナイダーエレクトリックでは自社のノウハウを生かした工場のDXサービス事業を2023年12月から始めており、製造現場におけるスマート化、サステナブル化を進めるに当たっては、CONNECTをベースにしたアプリケーション開発による課題解決も行うという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.