TOPPANは、自動運転車やソフトウェアデファインドビークルをターゲットに、ディスプレイ画面への加飾と映像表示を両立した特殊な化粧シート「ダブルビュー フィルム」の展開をスタートした。
TOPPANは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 横浜」(2024年5月22〜24日、パシフィコ横浜)に出展し、ディスプレイ画面への加飾と映像表示を両立した特殊な化粧シート「ダブルビュー フィルム」を披露した。
特殊な印刷技術とインキを用いた化粧シートであるダブルビュー フィルムは、表面に木目調やカーボン柄などの加飾が施されている状態でも同フィルムが貼り付けられたディスプレイ画面の映像を鮮明に表示できる。そのため、デジタルサイネージや液晶ディスプレイなどと組み合わせることで、インテリアと調和するディスプレイ表示が可能になる。
ダブルビュー フィルムの柄は、木目調の「ニュージャガーウォール」やメタル柄の「ヘアライン」、石をイメージとした「パルピス」、抽象柄の「カーボン」、硬質なデザインの「オンブレ」の5種類を用意している。既に、同社ではダブルビュー フィルムを搭載したデジタルサイネージ「ダブルビュー サイネージ」をホテルや商業スペース向けに2024年4月19日から販売している。
今回の展示会では、自動運転車やソフトウェアデファインドビークル(SDV)といった次世代のモビリティをターゲットとした内装部材としてダブルビュー フィルムを紹介した。例えば、自動車のインストルメントパネルにダブルビュー フィルムを活用することで、情報を表示するディスプレイと内装パネルのデザインを統一でき、車内の意匠性を高められる。
TOPPANのブース担当者は「ダブルビュー フィルムを搭載した液晶ディスプレイの用途として一例を挙げると、インストルメントパネルにおける映像コンテンツの投映を想定している。映像コンテンツを投影しないときは内装パネルと同じ外観になるため気にならない利点がある。確実な視認性が求められるスピードメーターやガソリンメーターでの利用は想定していない」と話す。
同社では、ホテル、オフィス、公共施設、マンションエントランスなどに向けてダブルビュー サイネージを展開し、2027年までに関連受注を含め50億円の売上高を目指すことを発表している。「自動運転車やSDV向けにダブルビュー フィルムを訴求したのは最近のため、導入のめどが立ったらこれらの用途でも売上高の目標を立てたい」(TOPPANのブース担当者)。
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