三菱重工業と日本ガイシは、両社の強みを生かして、バイオエタノールおよびe-メタノールの製造プロセスを低コスト/高効率化する膜分離脱水システムの共同開発を行う。
三菱重工業(三菱重工)と日本ガイシは2024年5月22日、クリーン燃料/原料の利用拡大を見据え、バイオエタノールおよびe-メタノールの製造プロセスを低コスト/高効率化する膜分離脱水システムの共同開発を行うと発表した。
今回の共同開発では、2種類の膜分離脱水システムについて開発をスタートする。1つ目は、ガソリンの代替品となるクリーン燃料と次世代航空機燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の原料として注目されているバイオエタノールの製造工程で、最もエネルギーを消費する脱水工程を、従来方式から膜分離方式に置き換え、エネルギー削減を図る。2つ目は、水素とCO2を原料とするe-メタノールの製造で脱水工程を膜分離方式に置き換え、消費エネルギーを削減する。膜分離方式では分子の大きさの違いを利用して膜を用いて物質を分離できる。
膜分離脱水システムの共同開発に当たって、三菱重工は、国内外でメタノール製造プラントをはじめとする多数の化学プラントを納入した実績に基づく、メタノールおよび各種化学品のハンドリング技術に関する知見を生かす。日本ガイシは、化学プロセスや浄水分野で培った固液分離膜技術と独自の成膜技術をベースとし、分離精度と耐久性に優れたセラミック膜に関するノウハウを活用する。
バイオエタノール、e-メタノールともに、クリーンな燃料/原料として将来的な需要拡大が見込まれることから、同システムの早期実用化と安定供給体制の構築を目指して共同で開発を推進していく。
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