日立製作所は、「リテールテックJAPAN 2024」において、西日本鉄道(西鉄)との協業で使用している「AIアバター」と、東武鉄道(東武)と開発中のデジタルアイデンティティー共通プラットフォームで用いられている指静脈認証セルフレジを組み合わせたスマートリテールのデモンストレーションを披露した。
日立製作所(以下、日立)は、「リテールテックJAPAN 2024」(2023年3月12〜15日、東京ビッグサイト)において、西日本鉄道(西鉄)との協業によりプレ運用を行っているデジタルポップアップストアサービス向けの「AIアバター」と、東武鉄道(東武)との協業に基づきと開発中のデジタルアイデンティティー共通プラットフォームで用いられている指静脈認証セルフレジを組み合わせたスマートリテールのデモンストレーションを披露した。
今回のスマートリテールのデモは小規模店舗をイメージしており、来店客への接客とおすすめ商品のレコメンドをAIアバターが担当し、このレコメンドに合わせて選んだ商品を指静脈認証セルフレジで決済するという流れになっている。
AIアバターは、AI(人工知能)カメラで来店客の性別とおおまかな年齢を識別した上で、デジタルサイネージに表示した選択肢の中から来店客が何を選ぶかに合わせて、小規模店舗内にある商品のレコメンドを行う。この他、ChatGPTとの連携によってAIアバターと自由に会話する機能も搭載できるようになっている。

「AIアバター」はデジタルサイネージを使った数回のやりとりからおすすめ商品を提示してくれる(左)。AIカメラでは、性別とおおまかな年齢以外に感情などの識別も行っており、来店客の幸せ指数を判定してくれることも(右)。なお、AIアバターは男女の2種類があり、英語と韓国語にも対応している[クリックで拡大]西鉄と日立は、このAIアバターなどにより、企業の手軽なテナント出店のサポートや、来店客の快適な購買体験を実現するデジタルポップアップストアサービスのプレ運用を、2023年12月〜2024年3月末まで、ソラリアプラザ(福岡市中央区)などで実施している。両社は2022年からテナントの負担軽減につながる新たな出店形態を検討する中でデジタル技術を活用した複数の実証実験を行っており、AIアバターなどのプレ運用もその一環となる。また、東武と日立による生体認証を活用したデジタルアイデンティティーの共通プラットフォームは2023年度内の立ち上げを予定している。
「今回は、当社が協業パートナーを務める両社のソリューションをつなげる形でデモを披露したが、それぞれの事業展開が拡大していけば、このような形でつながる可能性も出てくるかもしれない」(日立の説明員)
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