今回開所した新棟は、東芝グループの技術の最重要拠点に位置付けられる。同社の目指す姿である「人と、地球と、明日のために」に基づいた地球規模の課題解決に向け、新棟に集う研究者やスタッフ、顧客やパートナー、来訪者の多彩な個性を「色」にたとえ、混ぜ合わせてともに未来を描き、イノベーションを生み出す場「パレット」にしたいという思いを込め「イノベーション・パレット」という名称とした。
また、新棟は、研究開発の場として「ABW(Activity-Based Working)」「共創空間」「ライブ実験場」という3つの特徴を備えており、これらの体制によってイノベーションを加速させていく方針だ。
ABWは、部門の壁や固定席をなくし、仕事のやり方にあわせて働く場所を選ぶ働き方であり、コロナ禍後に進む新たなオフィス構築でも広く採用されている。また、集中作業、共同作業、アイデア出し、休憩時の交流など活動別に最適な空間となるようオフィススペースが設計されている。東芝 執行役員 研究開発センター所長の向井稔氏は「東芝の研究開発センターは、分野の異なる研究者が多数所属していることが強みの一つだが、これまでは建物や部屋が別々で交流する機会がないことが課題だった。新たに導入するABWによって異分野の技術が混じり合って新たな価値を創出できるようになると考えている」と説明する。
共創空間としては、オープニングセレモニーが行われた南館12階にある「万般スクエア」など社内外のパートナーと連携するコラボレーションスペースが設けられている。より深い共創が求められる場合には、社外パートナーが短期間入居可能なスペースも用意できるようにしている。
オフィスエリアは、東芝グループのさまざまな設備や最新技術を使ったサービスのショーケースとして先進実証を行うためのライブ実験場として活用していく計画だ。館内に設置したセンサー、カメラを含む各種設備から収集したデータを用いて空間/人/エネルギーなどを高精度に認識し、適切な最適化や制御につなげる「運用デジタルツイン」を構築、活用する実証などを行うとしている。
オープンニングセレモニー参加者と報道陣には、南館7階にある実験室の一部が公開された。マイクロ波無線給電システムの実験を行うシールドルームの他、他社に先駆ける量子暗号通信、量子インスパイアードと呼ばれるシミュレーテッド分岐マシンなど、さまざまな研究開発分野が新棟に集約されることで、研究開発の加速を期待できるとしている。
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