最後に、深宇宙探査の話題にも触れておこう。
まず紹介したいのは、NASAの探査機「Europa Clipper」である。これは名称の通り、木星の衛星であるエウロパを探査するというミッション。エウロパの厚い氷の地下には、広大な液体の海が広がっていると考えられている。地球外生命が誕生している可能性があり、この探査機は、生命誕生の条件がそろっているかどうかを調べる。
エウロパには着陸せず、木星を周回しながら、接近を何度も繰り返して表面の観測を行うという。まだ生命を直接的に見つけるわけではないが、果たして本当にこんなところに生命が存在できるのか、興味深い。打ち上げは、2024年10月の予定。木星への到着は2030年と、まだまだ先の話だが、気長に待つことにしたい。
またESA(欧州宇宙機関)は、探査機「Hera」を2024年10月に打ち上げる予定だ。目的地は、二重小惑星である「ディディモス」。この衛星「ディモルフォス」には2022年、NASAの探査機「DART」が衝突実験を行った。DARTが激突したことで、ディモルフォスはどう変化したのか。自転や衝突クレーターなどを詳しく調べる予定だ。
小惑星が地球に衝突することで大きな被害が出るというのは、現実的な脅威である。それを防ぐのがプラネタリーディフェンス(惑星防衛)。具体的には、大きな物体を高速でぶつけ、軌道をそらすことが考えられており、DARTは世界で初めてその効果を実際に宇宙で試したものだ。
Heraは、2026年に目的地へ到着する予定。Heraには、2機のキューブサット「Milani」「Juventas」が搭載されており、より近距離からの観測を行い、どちらも最終的には小惑星表面に着陸するという。こちらの成果も楽しみなところだ。
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