ヤマハ発動機は電子部品実装工場向けの新製品として表面実装機「YRM10」および3Dハイブリッド光学外観検査装置「YRi-V TypeHS」を2024年3月1日に発売する。
ヤマハ発動機は2024年1月18日、電子部品実装工場向けの新製品として表面実装機「YRM10」および3Dハイブリッド光学外観検査装置「YRi-V TypeHS」を同年3月1日に発売することを発表した。グローバルでの販売目標として、YRM10は年間500台、YRi-V TypeHSは年間30台の販売を見込んでいる。
YRM10は、高速性や汎用性、コストパフォーマンスに優れたエントリーモデル「YSM10」の後継機として開発された。本体サイズは1254×1440×1445mm。上位機種にあたる「YRM20」と共通の「YRシリーズ」プラットフォームを採用しており、マシン制御システムや高速性と堅牢性を兼備したアプリケーションソフトにより、周辺システムやソフトウェアとの連携がスムーズに行える。
10本インラインヘッドおよびスキャンカメラからなる「1ヘッドソリューション」コンセプトの型HMヘッドを搭載。1種類のヘッドで、0201(0.25×0.125mm)サイズの超小型チップ部品から100x55mm、高さ15mmの中異型部品まで対応できる。
12x12mm、高さ6.5mmまでの部品はヘッド側に装備のスキャンカメラで認識可能なことから移動距離が最短化、最大で基板サイズL510×W460mm、フィーダー搭載数最大96本(8mm幅換算)に対応する。同社調べでは、1ビーム1ヘッドクラスで世界最速となる5万2000CPH(Chip Per Hour)を実現した。
Xビームによる熱ゆがみの低減などにより、±35μm(Cpk≧1.0)の高精度搭載が可能となり、0201サイズの超小型チップ部品実装に対応する。不良発生を未然に防ぐためサイドビューカメラを装備した他、オプションの「All Image Tracer」では全ての部品認識画像を保存し、実装不良や吸着エラー発生時に不具合の発生要因を迅速に特定する。同じくオプションで部品のリード浮きを検出するコプラナリティチェッカーの搭載も可能となっている。
YRi-V TypeHSは、従来機比で2倍以上となる2500万画素の高解像度カメラと最新の高性能CPU、GPUの採用により、画像処理能力を大幅に高めた。分解能7μmおよび5μm仕様の高精細検査では従来機比約1.6倍という高速化も実現している。
従来の高精度8方向3Dプロジェクターに加え、高性能3Dラインレーザーを新たに搭載し、位相シフト法による3Dプロジェクター画像と組み合わせることで、鏡面部品や透明体部品の形状を正確に再現でき検査能力をさらに向上させた。本体サイズは1252×1497×1614mm、対象基板は50×50mm〜610×610mmとなっている。
近年の電子部品実装の現場では、小型化や高密度化、高機能化などの流れが急加速しており、全数自動検査のさらなる高速化および高精度化がますます求められている。パッケージ表面に鏡面光沢のある薄型、極小サイズのWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)やFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)の採用が飛躍的に増加しており、検査の難しい鏡面部品に加え、高密度で狭隣接な極小の実装部品への対応ニーズが急激に高まっている。
ヤマハ発動機では2021年に0201サイズの極小チップ部品や鏡面光沢のある部品に対しても正確な検出力を実現する光学式外観検査装置として「YRi-V」を発売。今回、YRi-Vのハイエンド仕様としてYRi-V TypeHSを開発した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.