OKIはイノベーションおよび技術戦略説明会を開催。縮小均衡から脱却し成長の芽を作ることを目指す中期経営計画の実現に向け、イノベーションを生み出す組織体制やそれによって生まれた技術などを紹介した。また、同時開催のプライベート展示会で高度遠隔運用サービスやCFBなどの具体例を示した。
OKIは2023年11月16日、都内でイノベーションおよび技術戦略説明会を開催。縮小均衡から脱却し成長の芽を作ることを目指す中期経営計画の実現に向け、イノベーションを生み出す組織体制やそれによって生まれた技術などを紹介した。また、同時開催のプライベート展示会で高度遠隔運用サービスやCFBなどの具体例を示した。
OKIでは2023年5月に2025年度(2026年3月期)までの3カ年の中期経営計画を発表。強い事業体へと集中する姿勢を示し事業分野の再整理を行った中で個別事業の強さは確保しつつも縮小均衡状態に入った前中期経営計画の反省を生かし「新たな成長の芽」を生み出す取り組みを強化する方向性を示した。今回の説明会ではそれを具体化するために推進しているイノベーション戦略と技術戦略について紹介した。OKI 代表取締役社長執行役員 兼 CEOの森孝廣氏は「OKIの課題である中長期での成長事業の方向性を示した」と述べている。
新たな成長事業を生み出すために取り組む活動の1つが「全員参加型イノベーション」だ。ISO 56002に基づくイノベーションマネジメントシステムを構築し、国際標準を基に、OKI独自のイノベーションマネジメントシステムを「Yume Pro」として構築し、社員が全員参加できる形でのイノベーションの在り方を模索しながら進めている。
実際に社内のビジネスアイデア実践コンテストである「Yume Proチャレンジ」は年々アイデア応募が増加しており、2022年度は319件まで伸長している。「初年度となる2018年度は37件だったことを考えると大幅に増えている」とOKI 執行役員でイノベーション責任者の藤原雄彦氏は述べている。また、これらのアイデアについても顧客へのヒアリングを必須条件としており、ビジネスモデルとしてもソリューション型への移行の推進エンジンとする考えだ。
これらを土台としつつ、新たな成長の芽を生み出すため、ターゲットとしているのが「データ活用による領域横断部分」だ。「あらゆる領域のデジタル化が進む中でデータの流通は欠かせないものになっている。市場が成長する領域において、OKIが既存事業で持つ強みを発揮でき、データ活用により新たな価値を創出できる領域で勝負していく」と藤原氏は考えを述べる。
具体的には、OKIが強みとして持つエッジプラットフォームを活用しつつ「高度遠隔運用」「物流・倉庫」「ヘルスケア・医療」「CFB(Crystal Film Bonding)技術」の4領域をターゲットとしてさまざまな事業を生み出していく。
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