NTTは、周囲環境の情報を伝えるミリ波RFIDタグを、東京大学と共同開発した。視界不良状況でもドローンの高度な自律飛行が可能になり、将来的には気象予測や災害対応への貢献が期待できる。
日本電信電話(NTT)は2023年10月2日、周囲環境の情報を伝えるミリ波RFIDタグを、東京大学と共同開発したと発表した。小型でドローンに搭載でき、バッテリーレスのため電源を設置できない場所でも利用が可能だ。
このミリ波RFIDタグは、3次元の再帰性反射を有する、コーナリフレクタ構造を利用して設計した。10m以上の距離からも仰角30度以上、方位角20度以上の範囲でタグを読み取ることができ、3次元の読み取り可能な角度は従来の7.8倍以上となった。
また、固有値解析を用いた空間−反射強度推定手法を活用し、読み取り成功率を向上させた。また、取得した空間-反射強度情報を含む点群をクラスタリングすることで、ノイズの多い環境下でもタグの位置を自動検出できる信号処理手法を開発。壁や車、階段などの障害物が周囲にある状況でも、タグを検知できる。
今回の開発でNTTは、ミリ波レーダーの信号処理手法の開発、固有値解析を用いた空間位置推定、点群クラスタリングによるタグの自動検知手法を確立した。東京大学は、RFIDタグの開発、コーナリフレクタの形状や配置方法の設計手法を確立した。
視界不良でもドローンの高度な自律飛行が可能になるため、将来的には気象予測や災害対応への貢献が期待できるとしている。
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