矢野経済研究所は、国内のメタバース市場を調査し、市場概況、メタバース事業者の動向を発表した。2022年度の国内市場規模は前年度比173.6%の1377億円と推計し、2027年度には2兆円を超えると予測する。
矢野経済研究所は2023年8月30日、国内のメタバース市場を調査し、市場概況、メタバース事業者の動向を発表した。詳細な市場調査資料「2023 メタバースの市場動向と展望」は25万3000円(税込み)で販売中だ。
同社は同年4〜7月にかけて、メタバース関連の技術やサービスを提供する国内事業者を対象に、メタバースの国内市場動向調査を実施。その結果、2022年度は前年度比173.6%の1377億円と推計。2023年度は同207.0%の2851億円まで成長する見込みで、2027年度には2兆円を超えると予測する。
2022年度までは、多くの企業が積極的にメタバース事業に資金を投入し、さまざまな業務連携やコラボレーションによる実証実験を実施してきた。また、自治体や行政もメタバースを活用した取り組みに参加することで認知が一気に広がり、熱狂的なブームともいえる状況にあった。
2023年度はブームが落ち着き、コロナ禍でのリモートワークという特殊な状況もなくなったことで、ビジネス展開を加速する環境が整うフェーズに入ったといえる。ビジネスモデルの明確化や市場環境が整うことで業績を伸ばしている企業が増えており、今後のメタバース市場の本格的な拡大が期待できそうだ。
メタバースはAI(人工知能)との親和性が高く、活用を加速する要素になると見込まれることから、参入企業の多くがAI関連の研究開発を行っている。まずは法人向け市場でメタバースを活用する企業が増え、その後はコンシューマー向けユーザーがけん引して市場を拡大するため、2027年度には市場規模が2兆円を超えると予測する。
一方、著作権侵害や信頼性など、現状では法人向けにAIを活用するには解決すべき課題が多い。メタバースにおけるAIの活用および普及の前提として、安全性を確保することが責務としている。
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